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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

パレスチナ問題に思うこと。

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サラリーマンの父親は、教育学部卒で、社会の高校教師の免許を持っていた。歴史が大好きで、世界史だと特にパレスチナ問題に熱かった。

暴力的なテロはもちろんダメだ。でもパレスチナの人達は本当に可哀想なんだ。一方でイスラエルのユダヤ人達も昔からずっと酷い目に遭わされてきた。悪いのは欧米列強だ。イギリスの二枚舌、いや三枚舌外交のせいで…

飲んでてスイッチが入り、高校教師モードに変貌すると、もう止まらない。子供の僕にとっては迷惑でしかなかった。でも何度も聞いてるとさすがに覚え、授業を聞いてる錯覚にも陥り、気づけば僕もパレスチナ問題に関心を持っていた。

そんな時テレビで、イスラエルの空爆で怪我をし泣いているガザ地区の子供の映像を見た。

 

なんとかパレスチナ問題を解決したいな。コクレンに入り、親父に聞いた、テレビで見た可哀想なパレスチナ人を助けたい。小中学生の僕の中では、イスラエルは可哀想だけど後ろ盾のいる侵略者。パレスチナは本当に可哀想な被害者。そのレベルの認識だった。

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https://ccp-ngo.jp/palestine/

高2の文理選択を前に、僕はとても悩んでいた。得意科目は現代文世界史英語。苦手科目は古文数学物理化学。

理系科目が出来ないコンプレックスを拗らせ理系に憧れてた一方で、もし文系に行ってたら、一番勉強したかったことがあった。それは、国際紛争、特にパレスチナ問題だった。

なので当時、少し自分なりに調べて考えてみたことがある。我ながら真面目やな。

パレスチナ人からしたら。イギリスに独立をちらつかされ利用された挙句見捨てられ、外からやってきたユダヤ人に自分達の土地を奪われ、追い払われた。テロは論外だし、パレスチナ=テロリストではない。けどイスラエルやそのバックのアメリカイギリスを憎む気持ちもわかる…

ユダヤ人からしたら。長い間ずっと迫害され、酷い目に遭わされ、ナチスに凄惨なホロコーストをされ、イギリス様アメリカ様のお墨付きももらってようやく得た安住の国イスラエル。なのにいまだに卑劣で残虐なテロを仕掛けてきて自分たちの生活を脅かすパレスチナ人を憎む気持ちも分かる…

 

そして知った。世界ってとても複雑。どの国地域も、みんなそれぞれ、考え方と守るべきものがある。100%の善も悪もない。物事は見る角度でどうにでも変わる。

みんな平和で仲良くなんてあり得ない。平和な立場にいる人が、お前ら仲良くしろよといっても届かない。

自分のクラス、親戚付き合いですら、みんな仲良くなんて無理なのに。国レベル、ましてずっと長い間憎しみあってきた人たちでは。

平和の総本山と思ってた国際連合も、実は戦勝国で作った名誉職的な組織で、全ての紛争を解決できるわけじゃ無い。そればかりか、そもそも常任理事国同士で対立してる有様。

そうだ、お金があれば解決するかも?だけど、そのお金は誰が出すの?だし、そのお金を巡ってまた新たな争いが起きる…

 

ああ、ダメだ。無理ゲーすぎる。低CPUの脳みそから湯気が出る。何も知らない、何もできないクソガキが、勝手に世界の難題を背負い、勝手に絶望感と無力感を抱いている。そんな暇があったら英単語のひとつでも覚えればいいものを。

 

結論が出た。僕には無理だ。

宗教的にも地理的にも遠い、かつ無知で脳内お花畑で平和ボケの、ボンクラ日本人青二才が、どうにかできる問題ではない。

もっと偉い人たちが、きっといつか、何とかうまいことやってくれるだろう。知らんけど。一旦忘れよう。自分のことで精一杯。ごめんなさいガザ地区の人達、パレスチナの人達、イスラエルの人達。

 

そして僕は文系を選ばず、今度は環境問題解決に貢献する!とまたも壮大な難題を勝手に背負い、理系に進んだ。

それが過ちだったと間もなく気づくも、以降20年間泥沼から抜け出せず、かと言ってグレタる勇気もなく、茨の道を迷走し、今では環境問題解決どころか社内の意見調整でカツカツのサラリーマンエンジニアの端くれだ…というのは一旦置いといて。

 

今、またパレスチナ紛争がクローズアップされている。悲惨で恐ろしい状況となっている。

ここまで憎しみの連鎖が複雑に絡まり合ってしまうと、どんなに偉い人達が何もしても、もはやこの問題を平和的に解決することは不可能なのかな。そんな諦めの境地。

だって中学、高校生の頃に見てた状況と、何ひとつ変わっていないように思うから。

 

ただ、遠くから、ほんの少しだけ、祈ることしかできない。

それでも祈りたいと思う。

ガザ地区の人たちが救われますように。パレスチナ、イスラエル、両方の人達が、これ以上、傷つきませんように。憎しみの連鎖が終わり、少しでも未来が改善しますように。悲惨なテロが無くなりますように。

 

そんな薄っぺらいことしか言えない。でもそれしかできない。

あまり考えず、この平和ボケした修羅の国日本でだけど、まず自分と家族の生活を守ることだけに集中して頑張りたいと思う。

難しいことは分からない。分かってもできることはない。でも、パレスチナ、イスラエルの人達も、そこだけはきっと同じだと思うから。