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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

2人目が産まれる直前、夫の立場で妊活を振り返る。

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今年の盆休みは、初めて義実家で過ごした。嫁さんの2人目の出産予定日が8月13日だったからだ。婚約破棄、お宮参り問題などで、以前は針の筵だった義実家。子は鎹、息子のパワーで、徐々に歩み寄れているとはいえ、気分ウキウキというわけには、まだまだいかない。

 

2人目の出産は、早くなることが多い。そう聞いていたので、7月中旬くらいから構えていた。そして義実家での5日間、川遊びをしたり、義両親の旅行話を聞いたり。そうして来たる出産に備えた。予定日を過ぎ、義実家から帰らないといけない最終日の夜。息子が寝静まった後、私達夫婦は、これまでを振り返っていた。

 

 

嫁さんは今年で39歳。高齢出産。2年半前に36歳で一人目を産んでから、2人目を考えたとき、それほど時間が残されているわけではなかった。思えば、やっとここまで来た。

そもそも男性と女性では、仕事量が雲泥の差だ。それは想像以上だった。

 

タイミングに加え、人工授精すること8回目で授かった命。4回の化学流産。hCGという、排卵を誘発する筋肉注射を毎月。加えて、排卵の量を増やすための、クロミッドと呼ばれる薬も。しかしこの薬のリミットは人工授精6回分まで。7回目以降は、自分で腹に注射を打たないといけない。歯を食いしばり自分に注射を打つ嫁さんの姿を見てきた。嫁さんが心身ともにボロボロになりかけ、一旦妊活を休んだ月もあった。f:id:elep-peace:20200816180438j:plain

(左が陽性、右が陰性)

妊活を始めて1年後。めでたく妊娠が判明した。長かったのか、それとも運が良かったのかは、人それぞれなので分からない。この時点で4週。しかし間もなく、悪阻が始まる。1人目はとにかく吐く悪阻だったそうだが、二人目はいわゆる食べ悪阻。食べないと気持ち悪いが、食べすぎると胃が荒れる。

14週経ってようやく悪阻が終わり、安定期に入ったのも束の間、28週から坐骨神経痛が始まる。酸素も少なく感じられ苦しい。お腹はいよいよ重くなる。嫁さん的には二人目は女の子が良かったそうだけど、男の子だと分かった日は、いけないと分かっていながらも、落ち込んでいた。数日後には、男の子も可愛いと、ケロッと切り替えていたけれど。

妊活しながら、家事や一人目の子の面倒も見ないといけない。子だくさんな上に家事や畑仕事もこなしていた昔の女性は、本当に凄かったのだと、痛感させられる。

 

酷暑でただでさえ大変なのに、コロナが拍車をかける。コロナのせいで、出産の立ち合いも、面会も不可。出産後分娩室から個室に戻る廊下での一瞬のみ、旦那との面会が許される。コロナに罹患した時点で、帝王切開が即確定。

そんな過酷な条件の中、 これから出産という大仕事が控える。1人目のとき立ち会ったが、34時間もの壮絶な出産の様子は、今も脳裏に焼き付いている。妊娠するまでも、妊娠してからも、女性は文字通り、自分の身体をボロボロにしながら、凄まじい痛みに耐えながら、それでも我が子を産む。その子は、数々の奇跡の結晶だから。そう思うが、どこまで行っても男には完全に理解できないことだ。

一方、男の仕事は、「種」を出すだけ。それは生物学上仕方ない。だからせめて、できることをやる。金を稼ぎ、家事育児をやり、愚痴を聞き、気分転換してもらう。それしかなかった。

 

かれこれ一時間ほど話し込んだ。というより嫁さんの話を聞き続けた。恥ずかしい話、そうだったのかと、今まで分かってなかったことも多かった。

ここまでよく頑張ったよ。はちきれんばかりに大きくなった嫁さんの腹をさすりながら、私は言った。あとは気合入れて産むだけだね。嫁さんは肚を括ったようだ。陣痛への恐怖や不安を、早く出したいという気持ち、そして、赤ちゃんの顔を早く見たいという気持ちが、上回ったそうだ。寝ている息子を起こさないよう、私達三人は円陣を組んだ。そして真夜中、そっと岐阜の義実家を出て、大阪に戻ってきた。

 

次に嫁さんに会うのは、出産が終わったとき。分娩室を出た廊下か、それともそれ以降か。どうなるかは、誰にも分からない。とにかく無事であればよい。

それまで束の間の、落ち着かない独身生活を過ごす。明日から仕事が始まる。月曜朝一から仕事が盛りだくさん。憂鬱になる暇もない。そんな中、いつ連絡が来るか。早く無事終わってほしいが、こればかりはどうしようもできない。そもそもこれまでの道のりを考えれば、1日2日のズレは誤差だ。

5日間の義実家生活で神経を擦り減らしたのか、エアコンがガンガン効いてたせいか、少しでも気を抜くと体調が悪くなりそうな気配をひしひしと感じる。しかし、何があっても風邪を引くわけにはいかない。熱が出た時点で、病院にも入れなくなるからだ。

出産はまだ、終わっていない。というより、始まってさえいない。

妊活はこれで終わりになるだろう。だから、今のタイミングで、書いておきたかった。今はただ、母子ともに無事で、健康な次男坊が産まれてくることを願います。

何のオチもない文章ですいません。体調が悪いのもオチが無いのも、全部コロナが悪い。そういうことで平にご勘弁願います。

 

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