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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

嫁さんががんになった

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昨年12月のある日。突然「胸にしこりがある気がする」と嫁さんが言い出した。1cmほどのしこり。体調問題なし、自覚症状も無し。念のために近所の病院へ。町医者では設備がないため、大きな病院で改めて検査。マンモグラフィー、MRI、注射で細胞を取る。何度も検査をするなあと思いつつ年が明けた。

2024年の仕事初め頃。前の検査ではうまく細胞が取れなかったと、ぶっとい注射で激痛の中細胞摂取。その時、嫁さんは医者にはじめて伝えられたそうだ。

がんの可能性があります。もしがんなら、胸は全摘出ですと。

まさか、がんだなんて。全摘出になったら胸が無くなってしまう。それどころか命の危険すらある。子供たちはどうするのか。長男は4月から小学生。色々準備もある。ママっ子の三歳の次男も可愛い盛り。なぜ、わたしが。

動揺し落ち込む嫁さん。でもまだ可能性。がんだと決まったわけじゃない。万が一そうだとしても、もっといいやり方があるはず。セカンドオピニオンの意味でも、情報を集めよう。

幸い、乳がん分野で手術アフターケア含め高名なお医者さんが見つかり、アポも取れた。そのお医者さまのインスタグラムを覗いてみた。「全摘出と言われても慌てないで下さい。部分摘出や、胸の形を綺麗にすることもできます。」この言葉にどれほど救われたか。暗闇の中、一筋の光がさしたように思えた。

不安だけど確定結果を待とう。可能な限り、いつも通り、日常を過ごそう。嫁さんはストレスによる胃痛を訴えながらも、なんとか日常を送れていた。

 

そして迎えた1月17日。

予定より早めに結果が出た。

がんだった。

 

ステージや転移など詳細はまだ不明。なので今後どう治療していくのかも不明。今確定してるのは、がん細胞が「たくさん」見つかったことだけ。

午前中、嫁さんからの電話でそう知らされた。

あまりに重すぎる、信じがたい現実。なぜ。どうして。

 

帰宅。何も知らず遊び回る子供達の横で、ソファーに座りスマホをいじる嫁さんは、動揺や落胆を通り越し、虚無だった。

僕は、嫁さんにかける言葉が見つからなかった。一報を聞いてから、ずっと考えていたけども。

ごめん。なんて言っていいか、言葉が分からなくて。

こっちこそごめん。がん患者になっちゃった。何も言ってくれなくていいよ。何を言われても、今は卑屈になってしまって素直に受け止められない。ただ、聞いてくれるだけでいい。

わかった。

子供達の遊び声だけが響いていたおもちゃ部屋。沈黙を破り、僕は言った。

これは、家族みんなの問題。家族みんなで乗り越えよう。今後、言葉には出さないけど、ずっと心に持っておくよ。

嫁さんは虚ろな表情で頷いた。子供達が不思議そうにこっちを見ていた。

 

その夜は、久々に家族四人で一緒に寝た。子供達を寝かしつけた後、嫁さんが好きな韓ドラを一緒に観た。なかなか寝付けないという嫁さんの背中をさすりながら、何を話すでもなく、というよりは、僕も、おそらく嫁さんも、何も言葉に出来ず、朝まで腕枕をした。お互い、腕枕なんていつ以来だろう。眠いし腕はバンパンだけど、嫁さんの心と胸の痛みに比べれば。

結果が出るのは1月26日。もし進行が早ければ。もしステージ2以降なら。もし転移してたら…考えたくなくても、ネガティブな想像で頭が埋め尽くされそうになる。考えないことはできないけど、楽観も悲観もできない。結果が出るまでの長い長い一週間を、虚無の境地で待つしかない。

何より、がんになってしまい落ち込む嫁さんに、どんな言葉をかければいいのか、本当に分からない。情けないくらいに。何も言わず寄り添うのがいいのか。それとも。

朝、そんな葛藤の中、会社に着くと、嫁さんからLINE。

ぽかぽか心も身体もあったかい気持ちになれたよ。ありがとう。

少しでも気持ちが楽になってくれたのなら、少し救われた。

正直、今でも、嫁さんががんになったことを受け止めきれていない。なぜなんだ、夢ならいいのにと、今でも思う。物事には理由があるはずだけど、本当にわからない。どうすることもできず、ただ受け入れるしかない。そして現実は待ってくれない。容赦なく日常がやってくる。

嫁さんが言っていたように、卑屈になってしまいそうになる。何を言われても素直に受け止められないかもしれない。あとネガティヴな話題はこれ以上本当に勘弁。でも、せめて自分は、どんと構えていなければ。平常心で過ごし、寄り添おう。

と思ってたら、1月19日の今日。前倒しで結果が出たと、嫁さんから電話。頑張ってくれた病院に感謝。

 

ステージ 1

悪性度 グレード2(中間)

ホルモン受容体 あり

HER2タンパク なし

がん増殖指標 20%

リンパ腺などへの転移 現状なさそう(継続検査)

 

最悪ではないけど、決して良くもない結果。

ホルモン受容体ありのため、5年間のホルモン治療(投薬+注射)が必要。更年期障害など副作用が懸念。

1月24日、セカンドオピニオンの先生に相談。全摘出か、一部摘出+放射線治療かを決定し、入院、手術へ。

 

望む望まないに関わらず、結果が出て、やることも見えてきた。今後も寄り添い続け、家族みんなで、この大問題を必ず乗り越える。そして健康で平穏な日常を取り戻す。必ず。

 

ブログにするかとても迷いましたが、モヤモヤが止まらず文字に起こし吐き出させて頂きました。おかげで僕は多少気持ちが整理できましたが、暗い話でごめんなさい。同情励ましの言葉が欲しいわけではありません。ただ読んでくださりありがとうございます。今後ブログやSNSではいつものアホで平和な日常に戻りたいと思います。いつも通り普通に接して頂けると嬉しいです。自分で書いて晒しといてそれは勝手すぎないかい。すみませんその通りです。でもそこんとこ宜しくお願いいたします。