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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

チョコの要らないバレンタイン

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2月14日。バレンタイン。いよいよ嫁さんの乳がん手術の日。朝から気持ちが落ち着かないけど、嫁さんはスッキリした顔に見える。胸がなくなるのは寂しいけど、憎きがんともおさらばできる、そんな感じみたい。手術は夕方。

雲一つない絶好の手術日和の中、昼過ぎに病院入り。初診以来の高名な先生と面談。手術の説明のあと、先生は仰った。がんは生活習慣病です。生活習慣の改善でがんのリスクは減らせます。採血結果を詳細に分析解説して頂いた。嫁さんも僕も目から鱗がポロポロ。もっと早く知っておけば。でも今知ることができて良かった。陽の光を浴びる。適度な運動をする。食べ物。やはり全部大切だった。それらをしてなかったわけじゃないんだけど、今後より一層気をつけないとな。

その時嫁さんのお義母さんからメール。ずっと会っていなかった僕にメールをするなんて。娘が心配でたまらないという気持ちが、痛いほど伝わってきた。

いよいよ手術。頑張ってくるねと言い、嫁さんは笑顔で、そして腹を括った顔で、手術室に消えていった。

術後は面会謝絶。携帯電話や通信も不可。次会うのは、退院の翌朝。後ろ髪を引かれながらも、病院を出た。

病院のあるビルを見上げながら祈った。

神様、お医者様。どうか無事手術が終わりますように。転移が見つかりませんように。

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梅田を少しぶらついた後、幼稚園にお迎え。嫁さんがしばらくいないことは子供達にも説明した。6歳の長男、3歳の次男がどこまで理解してるかはわからない。けど、二人はいつになく不安定だった。長男は次男よりも先に自分を迎えにきてくれと泣いた。次男はいつも以上に長男に喧嘩をふっかけた。いつもは楽しんでいる発達支援教室でも、らしくない様子だった。二人とも何か感じているのかも。喧嘩して泣く二人をなだめながら、俺だって泣きたいよという気持ちを押し殺した。

晩飯は、子供達のリクエストでサイゼリヤ。駐車場に着いた時、病院から待ち望んだ電話。 手術は無事終わりました。しかし事前のCT検査では見つからなかったリンパへのがんの転移が手術中見つかりました。そのがんも胸のがんと一緒に切除済とのことだけど、腕を上げにくくなるなどの後遺症が残るかもということだった。

祈りの半分は届き、半分は届かなかった。半分だけでも届いて良かったとは、今は到底思えない。でも見つけて切除頂いたことに感謝。義母にすぐ電話で報告。久々にお話した。うちの親にも報告。その後サイゼリヤとコンビニをハシゴし、ワンオペ育児に忙殺され、なんとか初日を終えた。

早くも疲れた。ワンオペ大変すぎる。幼稚園の準備ってこんなめんどくさかったのか。これを毎日嫁さんはやってたのか。

不安しかない。でも一つ一つ問題を潰しながら進んでいくしかない。

明日朝早速退院。胸にチューブやらが刺さった状態なのにすごい。幼稚園に二人を放り込んだのち病院に駆けつける。そして2、3日、病院近くのホテルで静養してもらう。子供が暴れてチューブが抜けたら大変だから。まずはそのホテルにフラフラの嫁さんを連れて行くのが最大のミッション。

うまくできるかな。不安ばかり。でもせめて僕は笑顔で向かおう。そして心から労おう。この記事を書いてる2月14日の夜中の今この瞬間も、嫁さんは、術後の痛みと闘っているはずだから。

そういや今日はバレンタインだった。いつもなら女性からチョコを渇望する日。でも今年は、チョコなんてなくていい。その代わり、今回の手術でがんが完全に切除され、今後一切再発しませんように。それだけが願い。チョコも欲しいけどねなんでもありません。神様お願いします。