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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

恥と勲章 余計な一言 手術前日

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嫁さんと転移無しのプチ祝いをした数日後。どういう流れか、今回の件を友達や知り合いに話すかどうかという話になった。嫁さんは涙ながらに言った。言うわけない。言いたくないし、会いたくない。胸と髪が無くなってしまうなんて、情けない。女にとって恥だと。

いつも僕はつとめて、何も言わず黙って聞き、寄り添うことに徹して来たつもりだった。しかしこの時、うっかり余計なことを言ってしまった。

恥なんかじゃないよと。傷痕は、試練を乗り越えた勲章だと思うよと。

目の前の現実に押しつぶされそうになっている人に、遠い将来の楽観的で他人事な綺麗事をぶつけてしまった。

嫁さんは言った。ごめん、今はそんなことを考えられない。

やってしまった。僕は心から自分を恥じた。何を分かったような事を言ってしまったんだ。気をつけていたはずなのに。一言で全てが瓦解する。謝るしかできなかった。

幸いその禍根は引きずらずに、今日まで過ごしてこれた。いつも通り子供達に振り回され、病気のことを忘れられたのは大きかった。

 

そういや先週末うちの両親がきた。アポなし電撃訪問。嫁さんの様子が気になったらしい。お土産に貰ったケーキは嬉しかった。たまたま嫁さんと長男は不在だった。

親子水入らずとばかりに、オカンは言った。「嫁さん、ステージ1で良かったな」「胸髪無くなっても、命が大切やしな」「人生色々あるぞ、今が正念場や」励ますつもりで言ってくれたのだろうけど、嫁さんがいなくて本当に良かったと思った。余計な一言ばかりで、もはや何が余計じゃないのか分からないレベル。飼い犬が歳で弱ってて心配、膝が痛むけど草むしりには支障無し、そんな余談もまた地雷源。

髪が無くなっても、また生えてくるから…とオカンが言いだした時、横で黙ってた親父がさすがに突っ込んだ。お前もコロナで円形脱毛症になった時、あんなに大騒ぎしてたやろ。それ以上喋るな。人は歳を重ねると、もはやそう簡単には変わらない。そして人は喉元過ぎれば熱さを忘れる生き物だ。

 

明日はいよいよ手術。昼一で病院入りし、夕方の手術に備える。育児ワンオペと仕事の引き継ぎも完了。こんな時に限って大変な仕事が湧いて来たが、周りにお願いしまくり何とか予定通り一週間の特休をゲット。準備万端だ。

手術まで、僕までドキドキソワソワして落ち着かない。手術後はしばらく大変な日々が待っている。しかし嫁さんは僕の何億倍も大変で痛く辛い思いをしている。口は災いの元。疲れた時がピンチの時。より一層、余計な一言に気をつけ、明日もそれ以降も寄り添っていこうと思う。

全然まとまってなくてすいません。頭が疲れてマッスル。