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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

週末難波ぶらり旅〜ビールとピアノとたぶっちゃん

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週末、久しぶりに、難波にやって来た。

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たまにはゆっくりしておいで。そう嫁さんが言ってくれたからだ。

最近は仕事と子守しかしていない。仕事はトラブル続発で残業続き。昼休みの話題はアメリカに旅立った黒幕プリンセスと哀れなヒモ。週末は朝6時に子供に叩き起こされ、出かけるのは公園とスーパー。空き時間は一心不乱にスマホゲーム。毎日その繰り返し。

暇が無いわけでもない。でも悩む気力すらない。考えることすら面倒くさい。ブログは更新が途絶え、ピアノは埃を被り、友達からのお誘いすら億劫になってしまった。

そんな僕を見て、嫁さんが気を利かせてくれたのか。これまでの週末嫁さんフリーデーのお返しらしい。何はともあれ、ありがたい。

 

独身時代、数々の武勇伝風黒歴史を積み重ねた、魔都・難波。久々に降り立ったなんば駅前は、イルミネーションが怪しく光る歩行者天国になっていた。

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以前より人手はまだ少ない。それでも残る、懐かしい空気。さてどこに行こうか。

とりあえず、腹ごしらえをしよう。せっかくだから、贅沢に美味しいものを食べよう。

現代に突然タイムスリップしてきた原始人のように、どこに行けばいいのかも分からず、彷徨った挙句、やって来たのは、いつものミンミン。何を食べたいのかすら分からず、適当に注文。乾いた胃袋に炒飯と餃子が染み渡る。

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だけどビールは飲まない。尿酸値が高いからビールはあと半年禁止。そう医者に言われてるからだ。それに、コロナ禍と乾いた日々のおかげで、酒をほとんど飲まなくなった。

 

ご馳走様でした。さてどこに行こう。HUBかJISか相席屋か。41歳も半ばのおっさんに、そんな独身時代のパワーはない。

もはや、難波には僕の居場所はないんだな。無性に悲しくなる。

気がつくと僕は、ミンミンの隣、ビックカメラのピアノ試奏コーナーに佇んでいた。

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あえて高価なピアノの前に座り、ドヤ顔で音量を少しだけ上げ、おもむろにファイナルファンタジー10の「ザナルカンドにて」を弾き始める。

今日は調子がいいな。誰かゲーム音楽好きのギャルが立ち止まってくれないかな。チラッと目線を上げるが、誰もいない。閉店間際の閑散とした店舗には、お客さんはおらず、店員さんもまばら。

でもそれでいい。僕のピアノの音色は、僕だけをそっと癒してくれる。というか下手くそなので聴かれると困る。

気分を良くした僕は、続いて「エアリスのテーマ」を弾く。そしてドラクエの序曲。仲間が増えた時の歌。

レパートリーはそれだけ。毎回思うけど、夜遊びとか鬼滅とか、そういうのを弾かないとウケないんだよな。でもいいんだ。ウケ狙いはすべる。僕は僕の好きな曲を弾く。聴きたい曲を弾く。というか弾ける曲だけを弾く。ブログと同じだ。書けることを書く。書きたいことを書く。全然書いてないけど。

今度来る時は、レパートリーを増やしてこよう。そう思いつつ、結局何も進歩しない。それもいつものこと。

 

ビックカメラではこんな面白そうなゲームにも出会えた。

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なかなかマニアックだけど、作り込みが半端ない。Fendt社マシンの緑のボディーが美しい。思わず手に取る。

「現役トラクター設計者がファーミングシミュレーターをガチンコで実況プレイしてみた。」

そんな企画にも、落ち着いたら挑戦したいな。あのインプルを付けるなら、ここのマシンだね。パワーが出るけど品質がね。この前も油が漏れたりブラケットが割れたりで。リコールって大変なんですよね。この前なんて国交省と…そんな品質問題あるあるトークをかましながらゆるく畑を耕しまくる。これで僕も人気配信者の仲間入りかな。その前に会社にばれてクビだな。一瞬そんな夢を見る。

 

ビックカメラを出て、夜の難波を1人彷徨いながら考える。この前子供を叱りすぎたな。親兄弟とはなかなかうまくいかないな。仕事をうまく進めるのは難しいな。まだまだ未熟者だな。精進しないとな。頑張らないとな。セルフピアノ音色が、マインドをポジティブにしてくれたのかもしれないねメイビー。

 

マクドに寄り、とある贈り物の準備。手紙も書く。メールや電話とは違う、アナログで面倒なツール。だけどそれがいい。一言一言、立ち止まって考えながら書く。相手の顔を思い浮かべ、心を込めて。下手な字だけど丁寧に。

人の字を見ると、ドキドキしません?その人の性格が透けて見えるようで。ちょっと肌が見えるとかよりも断然に興奮する。そんな僕は、文字フェチか。それとも新手の変態か。

手紙を書き終え、郵送手続きを完了。いつだって贈り物をするときは、ワクワクする。

 

気分がよくなってきた。このまま帰るのは惜しい。そうだ、久々にたぶっちゃんに行こう。辛くて美味しくて、ビールがアテになる、知る人ぞ知る、いや難波で知らない人はいないであろう、屋台坦々麺、たぶっちゃんに。

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いつも通りの盛況。近鉄バファローズの帽子を被った店員さんも、可愛いエプロンと腕のタトゥーのコントラストが映えるイケメン店員さんも、ご健在だ。コロナ禍前と変わらないその姿に、僕は嬉しくなった。

いつも通り、「たぶっちゃん式屋台坦々麺」をオーダー。ここに来たからにはそれだけじゃ足りない、ビールがアテになる坦々麺なんだ。医者の忠告を無視し、我慢しきれず、生ビールを追加。

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何ヶ月ぶりかのビール。一口飲む。泡で脳みそが溶けそう。美味い。美味すぎる。涙が出そう。

ビールってやっぱ素晴らしい。日々の悩みや苦しみを、泡と共に飲み込み、束の間だけ流し去ってくれる。気分も尿酸値もガンガン上げてくれる。まさに魔法の液体。

そしてついに、久々の再会。

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真っ赤なスープ。硬めの麺。ジューシーなそぼろ。シャキシャキモヤシ。香ばしい山椒。勿論辛い。だけどそれの遥かに凌ぐ美味さ。ああ、美味しい。

麺とスープを啜った後に、ビールを飲む。ああ、これだ。あの魔法の液体はすっかり、坦々麺のアテに変貌している。抜群の相性。阿吽の呼吸。高津と古田。シャビとイニエスタ。かつみとさゆり。どんな言葉でも形容し難い、この絶妙のコンビネーション。美味しすぎて涙が溢れそう。ヒーヒー言いながら一気に食べ切る。

お腹ははちきれんばかりに膨張。明日は通風確定。それでも大満足。ありがとう、たぶっちゃん。たぶっちゃんってどっちの店員さんのことだろう。

 

店を出るともう22時半。かつての僕なら、これからが本番。だけどそんな気力はない。何より充分、満たされた。心も脳も、そして腹も。

 

記念とばかりに引っ掛け橋からグリコの看板を拝む。

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何十年もここで鎮座してる絵。何百回見上げたか分からない絵。

俺は頑張ったぞ、お前も頑張れよ。今日も、そう言われてる気がした。

帰りの電車で、僕は久々にはてなブログを開いた。

よし。久々に、ブログを書こう。

電車で数十分。家まで歩いて数十分。そして、この駄文が出来上がりました。

たしかに駄文。更新は1ヶ月ぶり。それでも、こうして書き切れたことが嬉しく、すっきりした。

家に着き、嫁さんと息子達の寝顔をそっと見つつ、風呂に入る。風呂から上がり、外に出て夜空を見上げると、星がすごく綺麗だった。服は着てました。

 

束の間の難波ぶらり旅。ピアノとビールとたぶっちゃんが、僕の心を癒してくれた。

僕の居場所はまだ、難波に残っていた。

ありがとう難波。また来るよ難波。