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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

それでも僕は君を選ぶ〜ドラクエ5 天空の花嫁

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ドラゴンクエスト5〜天空の花嫁。この不朽の名作が、ついにドラクエウォークでも実装された。もちろん、「あの」イベントも。

ビアンカ、フローラ、デボラ。一体誰を、花嫁に選ぶべきか。

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https://gameo.jp/dqwalk/10757

 

ドラクエ5は、12歳での初プレイから20回以上はクリアしている。それでも毎回悩む究極の選択。それは41歳のおっさんになっても変わらない。

ましてドラクエウォークでは、セーブデータは一つしか作れない。セーブデータを3つ作る浮気はできない。

ああ、どうしよう。悩みすぎてドラクエウォークを進めることができず、仕事や家庭にも支障をきたし、体重は2kg増えた。ついには、さっさと決めなさいとばかりに、自宅にまでビアンカが押しかけてくるようになった。

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このままではルドマン体型の無職になってしまう。でも今こそ、惰性ではなく、自分の気持ちをきちんと整理し、花嫁を選ぼう。

 

思えば初プレイの12歳のときから、私は圧倒的ビアンカ派だった。

決してフローラが嫌いなわけじゃない。フローラは良家のお嬢様。おしとやかで可愛い。顔だけならフローラの方が好みかもしれない。イオナズンや水の羽衣の誘惑もある。

それでも、何度やり直しても、結局ビアンカを選んでしまう。それはなぜだろう。

 

子供はスーパーサイヤ人みたいな金髪がよかったのもある。でも何より愛だ。明るく健気でとびきり美人な、幼馴染のお姉さんのビアンカを、僕は愛していた。そのはずだった。

 

もしビアンカを選んでも、フローラにはアンディを筆頭に、代わりがいくらでもいるだろう。だがフローラを選べば、ビアンカはその後も一人、病気がちの義父と、山奥の村でひっそり暮らし続ける。そもそもSFCのカセットの箱に描かれているのはビアンカだ。ビアンカを選んで下さいと言わんばかりのプレッシャー。

それを知ってもなお、フローラを選ぶ不届き者は、金とスペックに目が眩んで健気な幼馴染を捨てるド畜生だ。愛より金を取る人でなしだ。人の心がないクソ野郎だ。

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http://dragon-quest.me/dq10/34577/

昔はそう信じていた。何より、自分がそう言われるのが怖かった。

それは愛ではなく、同情、同調圧力だったのかもしれない。

かつてはビアンカの健気さが愛らしかった。でも大人になると、重たくも感じてしまう。

 

大人になった今、改めて自問する。

愛のビアンカ。スペックのフローラ。本当にそうなのだろうか。

そう思ったのは、とあるシーンがきっかけだった。なぜ、水のリングを手に入れた後、ビアンカはルドマンの屋敷までついて来たのか。大人になり冷静に考えると、なかなかあり得ない。思うに、主人公同様、彼女の半生もまた、波乱に満ちていたに違いない…

 

今思えば、アルカパで宿屋をしてた頃は幸せだったわ。お母さんが亡くなり、全てが暗転した。宿屋の経営は途端に苦しくなり、借金取りに追われる日々。お父さんは過労とストレスで病に倒れた。とにかくお金がいる。見たくない世界で、言いたくない仕事を、せざるを得なかった。生きるために。借金取りや悪い男から逃げるため、命からがら海を渡り、今は寂れた山奥の村で、温泉宿のコンパニオンをしながら、病気がちのお父さんを看病する毎日。寄ってくるのは下心まみれの冴えない田舎者ばかり。エロジジイに温泉を覗かれるのにも慣れてしまった。このままだとお父さんより先に、私がどうにかなってしまいそう…

 

そんな毎日でも、あの思い出が心の支えだった。主人公同様、レヌール城でのお化け退治は、ビアンカにとっても数少ない幸せで大切な思い出だった。

 

そんな中、10年ぶりに再会した2つ年下の幼馴染が、結婚しようとしている。しかもお相手は大富豪ルドマンの娘。ルドマンの名は、この山奥の村にも轟いている。

でもまさか、あの彼が。聞けば彼も、あの後お父さんを殺されたり奴隷にされたり、大変だったみたい。でも、彼だけが幸せになるなんて…

複雑な思いを心に秘め、ビアンカは水のリング探しに同行する。大人になった彼を見定めるために。

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https://www.dq-free.com/entry/2019/04/06/【ドラクエ5】ビアンカのドット絵が好きだ

その冒険で蘇る、昔の思い出。すっかり逞しい大人の男になった主人公。10年前はあんなに頼りなかったのに、猛獣ゲレゲレを飼い慣らし、やいばのブーメランで敵をなぎ倒す彼の横顔。眺めていると、胸がキュンとなる。

おやぶんゴーストを倒したあの頃と違い、大したボスと戦うわけでもなく、あっさりと水のリングを発見。そしてこの束の間の旅も終わる。彼はフローラさんと幸せになる。私は一人、あの山奥の村に帰る。

胸が苦しい。涙が溢れそう。彼に想いを伝えようとする。……。でも、言葉が出てこない。

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https://play.yaguchimemo.xyz/entry/dq5/14

彼を、フローラさんには渡したくない。フローラさんは、彼の何を知っているというの。満ち足りたあなたには、彼の代わりはいくらでもいるでしょう。私には彼との思い出しかないの。お願い、これ以上私から奪わないで。そして主人公さん、私をここから連れ出して…

 

かくしてビアンカは、サラボナにやってきた。ゲレゲレとピエールを馬車に押し込め、ルドマン邸にも付いてきた。山奥の村に、このまま手ぶらで帰るわけにはいかない。彼の結婚相手となるフローラさんがどれほどの女性か、せめてこの目で見てみたい。

 

あれがフローラさん。お淑やかなお嬢様ね。天然で世間知らずそうだけど、機転が効くし、内面に芯の強さも感じさせる。思った以上に賢く素晴らしい女性だわ。

それよりも、あのお姉さんの方が強敵ね。セクシーでドS。あれでデレられたら、彼もイチコロだわ。

でも大丈夫。サラボナの酒場でも私の名前を売っておいたわ。まさかコンパニオンの経験が役に立つなんてね。外堀から埋めて、断りにくくすればいいの。男の人は押しに弱いから…

 

一方のフローラ。

誰この女性?まさかこの方の彼女なの?明らかに私に敵意剥き出し…それにその姿、わざわざ山奥の村から来たのね。彼を逃すまいと必死なんだわ、なんていじらしい…

というかこの方は、彼女がいるのに私と結婚したいと思ったの?きっとこの人も、私じゃなく、財産と天空の盾目当てなんだわ。私はルドマンの娘だけど、その前にフローラという一人の女性なの。欲しいのは、一途な気持ち、それだけなの。私をここから連れ出してくれる、そんな男性はいないかしら…

 

ビアンカ

え?私?私はビアンカ、主人公とはただの幼馴染で…

さあてと!私はこの辺で…

フローラ

待って下さい!もしかしてビアンカさんは主人公さんのことをお好きなのでは?それに主人公さんもビアンカさんのことを…

それに気づかず私が主人公さんと結婚したら、後悔するのでは…

 

その夜。すやすや眠る肝の座ったフローラと、ちゃっかり一泊した挙句に不安で眠れない姿を主人公にアピールするビアンカ。そして、強気な中にも寂しさを滲ませる、第3の女、デボラ。ビアンカかフローラか選べないのであれば、いっそのこと…

さあ、決断のとき…

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https://freegame.gamewiki.jp/dq5tenkudensetsu/

 

熟考に熟考を重ねた結論が、こちらです。

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結局ビアンカかい!あれだけ悪いように書いてたのに!

そんなこと言わないで。ビアンカ推しだけど、敢えて心を鬼にして、悪く書いてみただけです。それにビアンカのこころは、フローラやデボラのこころよりも性能がいい(替えが効かない)んですよね。

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愛でビアンカを選んでいた少年は大人になり、スペックで嫁さんを選ぶようになりましたとさ。

これも一途な愛の形ですよね。

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僕もずっと大好きさ。12歳の頃から、29年間ずっとね。これからも宜しくね。