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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

リレーを走らない長男

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もうすぐ運動会。年長の長男にとっては、最後の舞台。

ちょっと発達障害が入ってるらしい長男は、これまでも色々やらかしてくれた。

一昨年の運動会ではギャン泣きの末、1人アサッテの方向に爆走。

昨年は障害物競走が理解できず先生とお散歩。ダンスでは1人だけ先生にだっこ。

そんなの全然いい。可愛いし、それも彼の個性。

そう笑ってられるのも今年で終わり。年長ではリレーがあるからだ。

みんなでバトンを繋いで走り、競う。

1人の英雄がチームを勝利に導く一方で、1人の足でまといがチームを崩壊させる。

チームワークの大切さ、そして連帯責任が、凝縮されたイベントだ。

 

本番が迫った先日、幼稚園の先生から連絡があったと嫁さんに聞いた。

長男がバトンを貰っても走らないというのだ。

バトンを貰うと、その場で止まってしまい、全員に抜かされるのを待ってから、トコトコ走り出すらしい。
やる気がないのではない。走ってる時に抜かされるのが嫌だとか。

さあ、どうしたものか。

 

一番を目指そう。抜かれたらダメだよ。

確かに僕も嫁さんも、笑いながらそんなことを言っていた。

週末は家族で、公園でリレーの練習(という名のランニング)もした。


勝利至上主義とか、そんなんじゃ全然ない。

だけど素直すぎる長男には、そんな言葉が重荷になっていたのかもしれない。

 

今朝、早起きしてきた長男と話した。

リレーいやなの?と聞くと、彼はぼそっと答えた。

ぬかされるの、いや。

 

僕は言った。

抜かされてもいいよ。負けてもいい。

抜かされても負けても、パパは怒らない。

だけど、止まったらダメ。パパは怒る。

バトンを貰ったら、止まらず、一生懸命走って、次の子にわたしなさい。

それができたら、くら寿司に行こう。約束やで。

 

伝わったかは分からない。

でも心なしか、長男の目がパッと明るくなった気がした。

長男は、部屋をぐるぐる走り始めた。大好物のくら寿司のハンバーグで、頭の中がいっぱいになっているのかもしれない。

 

一生懸命やるのが一番大事。それで負けたら仕方ない。勝負は時の運。

だけど負けるのを恐れて、逃げるのはダメ。

男には戦わないといけない時がある。たとえ負ける可能性が高くても。

逃げてはいけない。全力でぶつかっていかないと。

負けるのが嫌なら、逃げたり相手を落とすのではなく、歯を食いしばって自分を高める努力をする。正々堂々頑張る。それしかない。

 

逃げるが勝ち。勝てる相手を選ぶ。それはまた別の次元の話。

男は(女も)戦わないといけない生き物なんだ。いろいろなものを守るために…

 

自分も逃げてたらダメだな。立ち向かわないとな。

そんなことを長男に教えられ、今日もまた、満員電車に揺られ、嫌でたまらない会社に向かう。

でも今日はいつもより一本早い電車だ。

 

長男の運動会の本番は、明後日の土曜日。彼は約束を果たしてくれるのか。どういう結末になっても、頑張った彼を褒めてやろうと思う。そしてくら寿司で祝勝会だ。でも立ち止まったらくら寿司は無しだよ。