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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

次男の扁桃腺手術、入院の全記録。

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2歳の次男が、扁桃腺とアデノイドの切除手術のため、入院した。僕も約二日間付き添った。当時の写真やツイートを掘り起こし、経緯や感じたことをまとめてみました。

10月6日(木)

8:00(入院−5時間)

ついにこの日がやってきた。今日から入院だ。

手術は翌日。うまくいけば月曜に退院の見込み。木・金は僕、土・日は奥さんが付き添う。

とにかく無事に奥さんにバトンを渡さなければ。二日間休みを取り、準備にいそしむ。

11:00(入院−2時間)

大好きな公園もチョコレートもしばらくお預け。娑婆の空気を今のうちに吸っておけとばかりに公園へ。

思い切り走り回り、最後の晩餐とばかりにお菓子を頬張る次男。これから待ち受ける運命を、彼も僕も、まだ知るよしもなかった。

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13:00(入院0時間)

病院到着。手続き完了。入院は四人部屋。個室になるかもと聞いていたが、世の中そんなに甘くなかった。

自分が入院するのは5歳の時以来。いみじくも同じ扁桃腺の手術だった。退院まで、ここで頑張ろう。

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17:00(入院4時間)

次男は元気。だけど、違和感を覚えている模様。こんなに長く次男と二人きりなのは初めてだ。檻付きベットにではなく、そのことが不思議だったのかもしれない。

19:00(入院6時間)

夜勤の担当看護師さんが来る。しかし感じが悪い。

「お父さん、今日泊まってくれるのー?よかったー、いなかったら最悪やったわー」
と冗談ぽくではあるが笑顔で言われ、とてもモヤる。

最悪って何だよ。お前の仕事だろうが。

そう思ったけど、この状況で天下の医療従事者様を敵に回すのはまずい。

おまけに「ご飯は次男が寝てからにして」と言い放たれる。なんとか機嫌良く寝てくれることを祈りながら遊ぶ。

22:00(入院9時間)

ようやく次男就寝。病院内のコンビニは閉まってたので、近くの魚民へ。さすがに酒は飲まなかったが、久々の居酒屋は美味しく、高かった。

22:30(入院9.5時間)

そういや寝具の手配を忘れてしまった。今日はこのカッチカチの長椅子もどきで寝る。せめてもの気休めにと、次男のオムツを敷き詰め就寝。夜泣きがないといいな。

23:00(入院10時間)

横になり、書きかけのブログを更新。この部屋には、あと二人患者さんがいる模様。一人は小学生くらいの女の子で明日退院っぽい。もう一人は、小学生くらいの男の子。注射の打ち方を練習してるので、糖尿病なのだろうか。重篤そうな雰囲気。

ここは大きな病院なので、深刻な患者の子供達も沢山いる。

なので、ここのスタッフからすれば、たかが扁桃腺を切るだけやろ、そう思うのも分かる。

でも僕ら、特に2歳の次男にとっては、初めての不安な経験なのも、また事実なのです。

とはいえ、個室に入りたいとか看護師が感じ悪いとか、文句を言おうとしていた自分が少し恥ずかしくなった。贅沢を言ったらあかん。モヤモヤしながら寝落ち。

10月7日(金)

6:00(入院17時間)

オムツまみれで起床。エアコンが効いてて寒かった。全身がバッキバキ。次男はまだ寝ている。幸い夜泣きはなかったけど、風邪を引いてないか心配。今日、次男は、何も食べられないだろう。可哀想に。乗り切ろう。

8:00(入院19時間)

入れ替わりの看護師さんが、若くて可愛くて優しい。昨日とは大違い。
隣の新入り患者のけしからん男の子くんが、その看護師さんのおっぱいを触ったらしい。若いママが「おっぱいはママのだけにしとき」と言っているのが聞こえ、勝手にドキドキする。

9:00(入院20時間)

手術まで2時間。しばらく水も飲めなくなるので、最後の水を飲ませる。僕も一緒に水断ち。

手術用の服に着替えるのをとても嫌がる。ギリギリまで着替えず、いつも通り遊ぶ。

11:00(入院22時間)

ついに手術室への移動ベッドが運ばれてきた。着替えさせるがギャン泣き。仕方なく抱っこして手術室に向かう。スタッフに羽交締めにされながら僕に手を伸ばし、泣きながら必死に助けを求める次男の姿に、胸が詰まる。

大丈夫!少し寝るだけやで!頑張れ!

そう伝え、後ろ髪を引かれる思いでその場を去る。お医者様スタッフ様、宜しくお願いします。

12:00(入院23時間)

手術は2時間の予定らしい。この隙に、病院のシャワーをサッと浴び、病院内のコンビニで朝昼飯を調達。次男が戻ってきたら見せてあげようと、おもちゃも買い込んだ。

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12:30(入院23.5時間)

家族控室でぼーっとしていると、お医者さんがやってきて、手術が無事終わりましたと報告してくれた。切除した扁桃腺とアデノイドを見せてもらった。ピンポン玉ほどの大きさに驚く。

今は麻酔が効いてて朦朧としてますが、30分ほどで戻ってきますとのこと。ありがとうございました。思わず最敬礼した。

13:00(入院24時間)

次男が病室に帰還。点滴やセンサをつけられ、ベッドにちょこんと座っていた。まだ麻酔でボーッとしている模様。

おお、よく頑張ったな!

病室内は基本静かにだけど、この時ばかりは思わず声が上ずった。

18:00(入院29時間)
術後30分ほどギャン泣き。いつもは大喜びするおもちゃにも興味を示さない。怖かったのか、痛いのか、お腹が空いたのか。おそらく全部だろう。可哀想に…

泣き疲れた次男は、4時間以上、ぐっすり眠った。あんなにうるさかったいびきが、綺麗になくなっている。手術って凄いと思った。

19:00(入院30時間)

次男起床。まだ表情は消えている。久々の水。少しだけ飲む。弱々しくて心配に。しかしおやつのプリンを見るや、僕から奪い取り、自分で蓋を開ける。少しずつペロリと完食。

そしてご飯。お粥や野菜は食べず。でもスープは飲む。ただのいつもの好き嫌いで安堵。痛み止めの薬を嫌がるが、無理やり飲ませる。泣き声にも力がなく、元気ももちろん無い。僕が5分トイレに行くだけで泣く。そりゃ不安よな、怖いよな。

大好物のりんごのジュースでなんとか凌ぐ。なんとか明日まで耐えような。

22:30(入院33.5時間)
次男就寝。今日は本当にお疲れ様。よく頑張ったよ。とにかく寝まくってほしい。
僕も晩飯。飯屋が近場に無いので、トリキでサクッと済ませる。病院二泊目も慣れてきた。寝具の手配もバッチリ。薄い布団だけど、ないよりは全然快適。今日も夜泣きがないといいな。

10月8日(土)

2:30(入院37.5時間)

ふと目が覚める。幸い次男に夜泣きは無い。
しかし絶えず、どこからか子供の泣き声が聞こえる。医療機器の電子音も。もう慣れたけど、その度に、ここが病院だと思い知らされる。
泊まるのは、僕は今日が最後。道半ばで戦場を去るのは、寂しい気もする。

ずっと一緒にいたせいか、点滴につながれ檻のベッドの中ですやすや眠る次男が、いつも以上に可愛くて心配で仕方なくて、胸がいっぱいになる。
このまま朝までずっと熟睡してくれれば。

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9:00(入院44時間)

病院三日目の朝。夜泣きはなかった。トイレに行きたいが、ベッドを離れようとすると次男が悲しそうにベソをかくので行けない。ここで漏らしてもいいかと聞きたくなる。

朝飯を少しだけ食べる。嫌がる薬はりんごジュースで飲ませる。足のセンサが外される。

すると、少し元気になったのか、立ってガサガサし始めた。昨日買ったおもちゃにも反応し、少し笑顔も。まだ腕に点滴が付いてるのでヒヤヒヤ。でも久々に見た次男の笑顔に一安心。りんごジュースとアンパンマンは偉大だな。

10:00(入院45時間)

実は、今日は年中の長男の運動会だった。
あの発達の遅れてた長男が、駆けっこの練習で1番になったそうだ。下から1番はしょっちゅうだったけど、上から1番なんて初めてだ。

その晴れ舞台を、何としても見たかった。
でもこんな状態の次男を、置いてはいけないので、全てを奥さんに託す。

もうすぐ始まる。パパは行けないけど、ここから次男と応援を送る。一生懸命走るんだぞ。

11:00(入院46時間)

空腹に耐えきれず、10分離席。戻ってくると、次男がか細い声で泣いていた。僕に引っついて離れないまま、泣き疲れてそのまま寝た。心細いんやろう、可哀想に。。

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ほどなく、長男の運動会の動画が奥さんから送られてきた。期待の駆けっこは、いつも通りマイペースでのんびりニコニコ走ってた。当然ドベ。一番というのは、ガセか幼稚園の先生のお気遣いか。でも一人だけアサッテの方向に逆走してた昔を思えば、きちんとゴールまで真っ直ぐ走ってるだけでも感動だ。長男よ、よく頑張ったぞ!

次男が寝てくれたので、僕も束の間の眠りにつく。

14:00(入院49時間)
昼飯が殆ど食べられず、突然ギャン泣き。鼻から出血。喉が痛い模様。痛み止めを全部飲ませきれなかったせいか。りんごジュースを飲ませ、おもちゃでなだめ、少し落ち着いた。
痛み止めの粉薬をなかなか飲んでくれないで、代わりに座薬に切り替えさせてもらうことに。今日が術後の痛みのピークらしい。何とか乗り切ろう!

15:00(入院50時間)

次男と一緒に頑張り続け、気づけば50時間。

ついに病院を去るときが来た。道半ばで、ママとバトンタッチ。

やっと病院を出られる…そんな感慨は全く無い。むしろ次男が心配で、別れが名残惜しい。

ありがとう、楽しかったよ。
あとはママがいるから大丈夫やで。

もう少し、頑張ろうな。

そう声をかけ、どことなく寂しげな次男とハイタッチを交わす。

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看護師さんたちに一礼し、病室の外で長男と待機していた奥さんと瞬時に入れ替わる。ママ、あとは頼んだよ。

感傷にふける間などない。これから二日間は、長男と過ごす。即モードチェンジ。運動会頑張ったな、偉かったな。そう褒めまくり、お祝いがてら長男の好きなくら寿司へ。僕はお腹ペコペコだったので、いつもより5皿は余分に食べた。

10月10日(月) 

11:00(入院94時間)

ついにこの日を迎えた。

あれから次男は、順調に回復し、点滴も取れ、元気を取り戻していると聞いていた。

僕と長男は、病院に入った。

通路の向こうから、聞き覚えのあるぐずり声が聞こえてくる。奥さんと次男だ。

パパだよと奥さんが言い、僕達に気づいた次男は、全力でこっちに走って来た。

それに気づいた長男も笑顔で、全力で走り出した。

通路の真ん中で、長男と次男が抱き合う…ことはなく、二人は綺麗に交差し、長男は奥さんに、次男は僕に、それぞれ走り込んだ。

少し痩せたかな。でも元気そうだ。

よしよし、本当によく頑張ったな。偉かったぞ。

次男を抱きしめ、なでながら、思わず、涙がこぼれそうになった。

 

その夜、久しぶりに家族四人で食べる晩ごはん。

みんな疲れがたまってたので、ご飯だけ炊き、おかずはみんな大好きビックボーイのオードブル。四人で食べるご飯は格別だった。

特に次男は、ご飯を四杯もおかわりした。そりゃそうだよね、久々のご飯やもんね。

おわりに。

こうして、次男と僕達は、なんとか難関イベントを乗り越えることができた。

退院してから一週間は、術後の痛みか病院のトラウマかで、夜泣きが酷かったけど、それもおさまった。いびきは勿論なくなった。副産物で笑い方が引き笑いに変わったのはご愛嬌。

この数日、本当に貴重な経験をさせてもらった。

お世話になった医療スタッフの方々と家族に感謝。

これからも、家族全員、健康で元気でありますように。それさえあれば、大抵のことは大丈夫だから。

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