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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

プールで尊いおっさんに合掌しました

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先日、プールに行った。ウォータースライダーとかがある、大きなプール。

たまには子供達をこういうところに連れて行ってあげようよ。そう意気込む嫁さん。僕は気乗りはしなかった。混雑と疲労が目に見えているからだ。家にも子供用プールはあるし。

でも子供のときプールがとても楽しみだったことを思い出し、よしと重い腰を上げた。

 

嫁さんや子供はラッシュガードなるものを揃えていた。日焼け防止のためらしい。へー今はそんなん着るんやね。僕は感心しながら、10年以上前の海パンを箪笥から引っ張り出した。幸いまだ着られる。ラッシュガードなし、海パン一丁のオールドスタイルで、いざ出陣。43歳となり、だらしない身体を晒す羞恥心は、もはや消え失せていた。

 

当日。開門9時を狙うも、すでに現地は長蛇の列。どうやら40分待ち。雲一つない快晴。33℃の日差しが容赦なく突き刺さる。

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速攻ぐずり出す子供達を置き、「並んでくるね!宜しくねっ」とウキウキで去る嫁さん。

灼熱の子守を終え、入場したときには、すでに汗だく。ああ早くプールに入りたい。

そしてついに大混雑のプールに入水。こりゃ気持ちいいや。

 

行列と暑さから解放されたのも束の間。でかいウォータースライダーに乗りたい!と子供が言い出した。またしても30分の行列を耐える。ウォータースライダーは僕も子供も初体験。なんだかんだで楽しみ。

そんな思いは開始早々吹き飛んだ。僕のヘビーな重量分、加速が凄まじい。まるで人間魚雷。恐怖で叫ぶ父と息子。体感速度120km/hでプールに放り出され、阿鼻叫喚の地獄は終わった。

大きな滑り台嫌やった!もう乗らない!そう涙する息子を慰めながら、再び子供用プールに移動。

 

それにしても、見渡す限り人、人、人。ラッシュガードを着た家族連ればかり。ビキニ姿のマブイチャンネーなんて、どこにもいない。たまに上半身裸の人もいるけど、例外なく、僕と同じくたびれたおっさんばかり。

まあそうだよね。せめて目の保養と思った僕が馬鹿だった。そして流れるプールへ。

そこで僕は衝撃の光景を目の当たりにした。

 

僕と同じ、海パン一丁スタイルのくたびれたおっさんが、ドザエモンみたいに仰向けに浮いていたのだ。無表情に虚空を見上げるその目には、おそらく混雑も他人の視線も入っていないだろう。周りの人達も彼を気にするそぶりはない。まるで本当に死んでいるようだった。

 

僕は思わず声を上げ、通報しそうになった。しかし気づいた。ああ、僕もこのおっさんと同じだ。仕事で摩耗疲弊し、せっかくの休日も家族にねだられ灼熱のプールへ。疲労困憊のあまり、もはや人の目を気にする余裕も泳ぐ気力も失い、こうしてただぷかぷかと流されている。

 

なんと尊い姿なのだろう。僕は心の中で彼に合掌したのでした。正直言うと邪魔でした。

 

久々の大型プール、とても楽しかったです。でも上半身がヒリヒリ真っ赤っか。あまりの痛さで夜も眠れません。

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ラッシュガード大事ですね。現場からは以上です。