ページ コンテンツ

ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

およげ!たいやきくんという魔曲

スポンサードリンク

先日、久々にTSUTAYAでCDを借りた。流行りの音楽とともに、息子達向けのこどものうたも。そのこどものうたベストを聴いてみると、一曲目が「およげ!たいやきくん」だった。

f:id:elep-peace:20210216073253j:image

https://onbankutsu.thebase.in/items/19047509

おお、懐かしいな。ドライブがてら、聴いてみた。確かこんな歌詞だった。

 

 

毎日毎日、鉄板の上、つまり会社で焼かれ続けて、すべてが嫌になってた、中堅サラリーマンのたい焼き氏。ある日彼は、店のおじさん(上司)と喧嘩し、衝動的に退職願を叩きつけ、何のスキルもないのにフリーランスという大海原に飛び込んでしまう。初めて見る海。これがフリーランスの世界か。圧倒的に美しく、そして自由な世界。家のローンが重いけど、海は広いぜ心が弾む。目指すぞトップYouTuber、カリスマインフルエンサー。夜の歓楽街、桃色サンゴのお姉さんが、そう語る僕を嘲笑っていた。

 

毎日毎日楽しいことばかり。難波の繁華街が僕の住処さ。時々、心ないサメ(クレーマー客)にいじめられるけど、そんなときゃそうさ逃げるのさ。

フリーランスの世界は楽しい。けど、食べていくには、この広い海を、自分の力で泳ぎ回らないといけない。待ってても餌はもらえない。一日働けば、腹ペコだ。この世界とはどうも水が合わない。疲れのせいか目眩がする。

 

なけなしの退職金はすぐになくなり、気がつけば、毎日カップラーメンばかり。PVは二桁、収益は一桁。たまには海老フライでも食べたいなぁ。ふと見ると、目の前にはclubhouseの招待状。楽して一千万稼ぐ方法を、たったの五万円で、こっそりあなただけに教えます。思わず飛びつくと、それは小さくない釣り針でした。

 

釣り上げた詐欺師のおじさんはびっくり。まさかこんなのに引っかかる馬鹿がいるなんて。

やっぱり僕はたい焼きだ。YouTuberになんてなれない社畜だ。はめられた型の中でしか、生きられないんだ。

後悔先に立たず。僕は詐欺師のおじさんにパクッと食べられた…

 

救いのない歌詞、哀愁に満ちたメロディー。少なくとも子供の歌ではない。どう考えても大人の歌、それもくたびれたおっさんの歌だ。何でこんな曲が、こどものうたベストのトップバッターなんだちくしょう。きっと、ちゃんと勉強しないとこんな大人になってしまうよ、そう世間の厳しさをちびっ子に教える歌なんだね。

 

でも、すごい中毒性だ。さすが500万枚以上の日本史上最高シングルセールスを叩き出しただけある。ていうか当時の日本の大人はどんだけ疲れてたんだ。1975年の発売から46年。時代は変われど、変わらず疲れたサラリーマンに容赦なく突き刺さる。そしてたい焼き君は訴えかける。

 

自由には責任が伴うんだよ。

甘い餌には罠があるんだよ。

 

今日も真面目に社畜しよう。

パクッと食べられるよりは、じわじわ焼かれてる方がマシだから。