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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

ヒトカラとヒロスエはオジサンを救う

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週末、久しぶりにもらった自由時間。仕事と家庭と加齢のおかげで、金曜夜にはもうヘロヘロ。だけどこのまま帰りたくない。僕は一人居酒屋に入り、ハイボールを注文。居酒屋で酒を飲むのはいつ以来だろう。

そのせいか、最初の一杯でほろ酔いになってしまった。なんだかとても気分がいい。ふと独身時代を思い出す。友達との一杯。会社の飲み会。合コン。安い酒を浴びるように飲み、どうでもいい話で盛り上がる。時にはふりをする。二次会はカラオケ。時には桃色ビル。束の間の天国。気付けば財布はすっからかん。残るは二日酔いとピンクな残り香、祭りの後の切ない気持ち。

あの頃一緒に馬鹿をしていた友達も、みんな所帯を持ち、落ち着いた。それにコロナが追い打ちをかけた。良くも悪くも、変わってしまった。

気づけば40代。もう立派なおっさん。束の間の桃色天国の先に希望はないことを、数々の苦い経験から知っている。時間も元気も小遣いもない。一人は心地よいが物足りない。それにこのまま帰るのも忍びない。

よし、久々に歌うか。僕は1人、近くのジャンカラに向かった。

 

ここ数年、たまに楽しむヒトカラ。何を歌おう。烏龍茶を片手に部屋に入るが、疲れ切った脳みそには、何も浮かんでこない。勿論新しい曲なんて分からない。

何とか絞り出した一曲目は、まさかのX JAPANのTears。たしかに大好きな歌だけれども。うす暗い部屋で中年男が一人歌うには、あまりにも哀しすぎる。そもそも声が全然出ない。ここまで落ちていたとは。さすがにショック。無理にでもテンションを上げなければ。

こんなとき火をつけるのは何だったっけ。そうだ、LUNA SEAのROSIERだった。高音は出ないし、途中の高速英語セリフは全く舌が回らない。だけど、何度聴いてもカッコいい名曲に、否応なしにテンションが上がる。

勢いそのままに、GLAYのHOWEVER、ラルクのDIVE TO BLUE、B'zのLOVE PHANTOMと続いていく。休憩がてら、シャ乱Qのシングルベッド、DEENのTEENAGE DREAM、スピッツのチェリーで、しっとり思い出にふける。1980年生まれの「松坂世代」にとって、90年代のJ-POPはまさにドンピシャ。

 

完全にゾーンに入った。さあ次は何を歌おうか。「あの頃この頃」で199○年を検索していると、あの曲名が目に飛び込んできた。広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」である。

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https://wmg.jp/ryoko_hirosue/discography/2023/

当時高1の芋草い僕が、初めて部屋にポスターを貼った女性こそ、広末涼子だった。何かの学園もののドラマを見て、完璧に恋に落ちた。同い年だとはにわかに信じられず、あまりに可愛すぎて、麒麟や神話のような架空の存在ではないかと思ったくらいだ。オカンにからかわれても、頑なに剝がさなかった。当時流行りだしたプリクラで、僕は広末涼子と2ショットを撮り、苦手だった世界史の教科書の裏表紙に貼った。世界史は得意科目になった。

そんな彼女の、衝撃のデビューシングルが、MajiでKoiする5秒前。略してMajiKoi。

久々にPVが見たい。そして熱唱したい。予約にはMajiKoi、そして連鎖的に思い出した伝説のセカンドシングル「大スキ!」が、交互に並ぶ。いよいよ始まる。1,2,345...

時空を超え、画面の中で眩しく輝く当時16歳の彼女。二人きりになるのは、あのプリクラ以来。夢のセッション。

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心が揺り動かされ、歌わずにいられない。真っ暗な部屋に響き渡る、野太い歌声。かに座の女の子ってどこか少し大胆だけど、牡羊座のおっさんも負けじと大胆なのだ。MajiKoiと大スキの無限ループ。試しに自分の歌声を録音していた。魔が差したとしか、いいようがなかった。

気がつけば、一時間があっという間に過ぎる。MajiでSei算する5分前。延長しますか?「30分後です」(OK!)

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結局、喉が枯れるまで歌い続けた。身体は疲れていたが、気分はすっかり晴れていた。

僕は改めて思った。僕らは「松坂世代」じゃない、「広末世代」だということを。

確かに毎日、色々大変だ。落ち込むこともある。だけどひとたび広末涼子を聴けば、すべて吹き飛ぶ。なぜなら僕は広末世代だからだ。

子供の頃、山口百恵やテレサテンを喜んで聴いている両親に、絶望的なまでの世代の壁を感じていた。今の僕もその境地。若者についていくのは、とっくに諦めた。今の若者にとって広末涼子は、実力派のママさん女優なのだろう。だけど僕にとっては、永遠のアイドルだ。昔も今も、僕たちはヒロスエのことが、とってもとってもとってもとっても大スキなんだ。

広末涼子にありがとダーリン大スキと言われる

あの頃の夢は叶わなかった。でもこうして、ある意味二人きりの時間を過ごせている。

カラオケ最高。音楽最高。広末最高。

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いい気分のまま家に着いた。嫁さん子供は寝ていた。ふとスマホを取り出し、あの動画に気付いた。そこに写されていたのは、MajiKoiを熱唱する自称広末世代の42歳男性。狂気の咆哮、おぞましい断末魔、恥知らずの極み。

一瞬で夢から醒め、目が冴えてしまった。それに子供の夜泣きが追い打ちをかけた。MajiでKonya眠れない、真夜中の5秒前。

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眠れないのでこんな駄文を書いて、さらに寝不足に。だけど何とか頑張れそうだ。広末涼子さん本当にありがとうございます。