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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

発達障害とキリンの思い出。型にはまること、型からはみ出すこと。

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昨日は休日だったので、久しぶりに自分の両親を家に招いた。息子達の大活躍もあり、楽しいひと時を過ごせた。

そんな中、私が長男と遊んで席を外しているとき、嫁さんが両親にこっそり聞いていたそうだ。私はどんな子供だったのかと。

後で聞くと、私は、4歳近くになっても喋れず、道端で一人、大好きな車をひたすらジーっと眺めていたらしい。この子は大丈夫かと、親はさすがに心配になったそうだ。

あと、幼稚園のとき、絵を描けと言われ、一人だけ文字を書いたらしい。

舌っ足らずで、車好きで、協調性が無い。今の長男にそっくり。偉そうなこと言えないな。

 

で、その文字を書いた後、母親は幼稚園に呼ばれた。そして、当時の担任の先生に、こんなニュアンスのことを言われたそうだ。

「家で何か、スパルタ教育でもしてるんですか?」

「この子は、発達障害じゃないんですか?」

母親はショックというより、頭にきたそうだ。

 

幼稚園当時、家は厳しかったが、スパルタ教育なんて皆無だった。単に本が好きで、自分で勝手に覚えた文字を書くのが好きだった。

一番好きだったものを描いた。それだけだった。

 

何十年も昔の話、時代も価値観も違う。当時の先生に文句を言うつもりなんてない。むしろ、言うことを聞かないクソガキでごめんなさい。

でも、そんな事を言われていたなんて。初めて知った。発達障害だなんて。40歳になった今でも、少しショックだ。

文字を書いたといっても、オリジナルの漢詩を詠んだり、般若心経を写経し始めたわけでもないだろうに。

何でもかんでも病気と決めつけ、そのせいにするのは、よくないと思った。

 

事実かどうかは別にして、その言葉は心に刺さり続け、コンプレックスや言い訳になってしまう。 自分は病気なんだ。できないのは病気のせいだと。

それに病気なんて、案外曖昧なものだ。何が発達障害か、何が鬱病かなんて、分からない。

当時発達障害を疑われた鼻たれ小僧の私は、数年後に京大生になった。当時大人好みの絵を描きちやほやされていたアイドル的存在の誰それ君は、数年後に暴走族になった。

どちらが正しいと言うのではない。

言いたいのは、人間だれしも、デコボコであること。それに、正しさなんて、時代、環境、価値観次第で、変わるということ。唯一明確なのは、人様に迷惑をかけちゃだめ、それだけだ。

 

ちなみに絵を描くのが、嫌いだったわけじゃない。

手前味噌だけど、小学一年生で描いた絵は、県で特選になり表彰された。その絵は暫く、実家で額縁に飾ってくれてあったので、今でも覚えている。

 

動物園で見た動物を描きなさいと言われ、私はキリンを描いた。黄色以外にも、緑、オレンジ、青、茶、ありとあらゆる色を使った。

当時の担任の先生は、それを面白がってくれた。キリンは黄色だから黄色を使いなさい。そうは言われなかった。

結果、ファンタジーでカラフルなキリンができあがった。

受賞の決め手は、それに加え、一般的な横からの姿だけでなく、真上から見たキリンの姿を描いたことだったそうだ。

実は、そう言ってくれたのは、先生だった。

キリンの絵に没頭する私を見て、先生は、アドバイスをくれた。

「上から見たキリンは、どんなんやろな?ここに、描いてみようか?」

一人で残って絵を描く私に、放課後も先生は付き合ってくれた。そして二人の大作が出来上がった。

 

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写真素材 | キリンの顔 (fc2.com)

 

型を知り、型にはまる。そのうえで、型をはみ出す。どっちも大切なこと。

そう教えてくれたどっちの先生にも、感謝している。強いて言うと、キリンの先生が圧倒的に好きです。

 

息子達もこれから、型を知り、型にはまる、そんな人間社会の基本を勉強をしないといけない。たとえ型からはみ出ても、戻ってこれるようにしないといけない。

でも無理やり型にはめ込むことだけはしたくない。型に押しつぶされてしまうし、いざその型がなくなると、自分が何だったか、分からなくなってしまうから。

型は人の数だけある。型にはまりつつ、時にははみ出しつつ、自分に合った型を見つけ、作っていく。それが生きるということだろうから。

 

それにしても、手前味噌ながら、私は天才だったんだね。

あれから数十年がたち、絵は下手になり、文字というか駄文を日々クソブログで垂れ流す、しがないサラリーマンに成り下がった。天才キッズの姿は、見る影も無い。

しかし良くも悪くも、これこそが、過去が作り出した、私の今の型だ。現在、未来を頑張ることで、この型を進化させていかないとな。カタカタうるさいわ。