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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

人身事故に遭遇してしまった

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人身事故に遭遇した。

仕事終わり、子供に絵本を買うため寄り道し、いつもの駅に着くと、けたたましいブザーが鳴り、駅員がホームにダッシュしている。

「当駅で人身事故が発生しました」

んん?と思いながら、改札に入り、ホームに降りると、反対方向の電車が止まっていた。

 

 

次の瞬間、その電車の下に、白い布を被せられた、ほんの少し前まで人間だったであろうものが、目に飛び込んできた。

何とも言えない気持ちになった。私は目を背けた。

 

間もなく、駅員、警察、消防の方々が、慌ただしく降りてきた。

私はとりあえず、ホームを離れ、二階に避難した。ホームに降りる階段には規制線が張られた。

二階スペースは、途方に暮れる乗客と、ホームを見下ろす野次馬で溢れた。中にはホームを撮影する不届者もいた。それだけは、しちゃいけない。

 

私はちょうど階段付近にいたので、ホームの様子が少しだけ見えた。ホームは消防や警察、駅員で溢れかえっていた。

ホームに、担架に乗せられたブルーシートが運び出された。関係者が目撃者と思われる方が、ホームに連れられていった。

もうたくさんだ。私はその場を離れた。

 

電車の復旧の目処は立たない。少なくとも一時間以上はかかるだろう。

すると、声をかけてくる人がいた。キラーマシン上司だった。

「大変なことになったね…まあ、飲みながら待とうか」

そう言うと彼は、コンビニでハイボールを奢ってくれた。

何を話せばいいのか分からない。業務報告をする気にもなれずにいると、私たちはバスの存在に気づいた。彼とは途中まで同じ方向。三時間、二人で歩きながら帰る。そんな事態は免れた。上司は別バスに乗り、颯爽と去っていった。ご馳走様でした。

 

しかし私にはまだ問題が残っていた。家まではここから10数キロ。運の悪いことに、給料日前の私の財布には、180円しか入っていなかった。タクシーなんて貴族の乗り物には乗れない。しかもICOCAのチャージは327円。

 

果たしてバスに乗れるのか。不幸中の幸いで、今日はたまたまスニーカーだ。10数キロをのんびり歩くのも悪くない。そう腹を括った。しかしバス代は490円。ICOCAだけでは足りない。なんとか足りる!足りるぞ!

私は心の中でガッツポーズをし、満員のバスに飛び乗った。所持金残り10円。ジョーブログの旅動画の気分だ。

そして今、この記事を書いている。

 

よほど辛かったのだろう。可哀想だと思わなくもない。でも、とんだ迷惑だ。何があったか分からないけど、同情は全くできなかった。むしろ駅員さん達に同情した。

いろんな人に迷惑をかけて、野次馬に撮影までされて。こんな最期だけは嫌だと思った。

複雑な気持ちだ。彼か彼女かは分からない

大迷惑野郎、せめてご冥福だけはお祈りしてやろうと思う。

 

何とか無事に帰ってこれた。

正直、ヘロヘロだ。

でも、生きていることに、感謝したい。あとキラーマシン上司にも。