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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

新年の挨拶やめられない問題

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あっという間に正月休みが終わり、仕事始め。

「明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します」

人に会うたび、電話するたび、メールのたびに、みんながみんな繰り返す。まるで新興宗教の儀式か、言葉を覚えたてのオウムのようだ。

休みが終わり、仕事が始まってしまったのに、何がめでたいのか、そう小一時間問い詰めたい。そんな思いを押し殺し、自分もまた、アケマシテオメデトウゴザイマスと鸚鵡返しを繰り返し、米つきバッタのように頭を下げる。

 

怒涛の挨拶ラッシュは社内だけじゃない。年末同様、アポ無しで新年の挨拶に突撃してくる取引先の方々。今打合せブースに来てるんですが…と、テンション高めだけど空元気で、どこか申し訳なさそうに呼びだしてくれるのは、取引先の若手の営業マン。行くと何人もの関係者が待っている。威圧感を隠し切れずにいるあの人が、この集団のボスの役員の方かな。そして出来上がる名刺交換の行列。オミクロン株をあざ笑うように、瞬時に密が形成される。ここでもまたアケオメの応酬。

そんな挨拶で時間を奪うだけでは飽き足らず、彼がさらに頼んでくる。すみませんが今から部長さんを呼んできてくれませんかと。

 

新年早々ただでさえ近寄りたくない部長におそるおそる声をかけると、今忙しんだけど...と言いたげな顔をされ、すみませんそこを何とかとお願いし、お連れする。

ようやく挨拶が終わり、部長も機嫌よく帰っていったと思いきや、今度は皆さまにお土産を配っておいて下さいと菓子折りを託される。

アケマシテオメデトウゴザイマス。これ、どこそこの誰それに頂いたんです。そう繰り返しながら、席を回り、お菓子を配る。気が付けば、もう小一時間立っている。あれ自分仕事何してたっけ。そしてまた、別の取引先から、挨拶の電話が鳴る…

 

ご丁寧なのはありがたいけど、このご時世、そろそろこの慣習やめませんかね。ただでさえテンションの上がらない初日にこの挨拶ラッシュは、時間とHPを削られる。たとえばイケイケの外資系IT企業、海外の企業でも、同じことをやってるんだろうか。意外とガッツリやってそうだな。そこんとこどうなんだろうか。

年始の挨拶。アポなし挨拶。いずれにせよ、もうやめましょうと、誰か偉い人が一言言えば終わる。でもそう簡単には終わらない。何も考えず惰性に身を任せるのは楽だから。たとえどれだけ効率が悪くても、慣習という麻薬には勝てない。分かっちゃいるけどやめられない。ザッツジャパニーズ。知らんけど。

 

でも、この取引先にも、もちろん若手営業マンの彼にも、昨年とってもお世話になったので、無下にはできない。そもそも自分も前職時代、こういう挨拶周りをさせられたことがある。言うまでもなく、とても嫌だった。もちろん気持ちは乗らない。でも、相手は大切なお客様。身内であるはずのお偉いさんや上司の重圧が、容赦なく背中にのしかかる。なので無理やり口角を上げて営業スマイルを作り、空元気を入れてテンション上げていかないといけない。

 

僕には、この彼の気持ちが、痛いほど分かる。だから今もこれからも、僕は絶対に、こういう儀式を無下にはしない。ましてもうやめましょうなんて言わない。むしろ相手の笑顔を上回る笑顔で元気に応える。だって私、しがないサラリーマンですからっ!残念っ!挨拶は社会人の基本中の基本っ!斬り!波田陽区さんお元気かな。

 

読んで下さった皆様、アケマシテオメデトウゴザイマス。コトシモヨロシクオネガイイタシマス。もう新年の挨拶なんてしないなんて、言わないよ絶対。誰か偉い方、お願いしますほんとに。