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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

嫁さんと子供が家を出て行った。難波で下心にまみれつつ頭を冷やした中年男の物語。

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嫁さんがまだ6ヶ月の子供を連れて、家を出て行った。

きっかけは、些細な喧嘩だった。

嫁さんは育児のストレスと寝不足。

私は仕事のストレスとワールドカップの寝不足(?)。

もちろん育児も一緒に頑張ってるつもりだった。

でも、お互いに、フラストレーションがたまっていた。

 

もちろん子供は可愛くて仕方がない。

でも、イライラしてしまうこともある。

そしてその気持ちは、ぶつける場所がない。

 

こんな時、独身時代なら、街に繰り出し、

行きずりの女と寝ることもあったろう。なかったけど。

独身時代のような金もない。自由な時間もない。

下手なことをすれば。緑色の紙切れ一枚で、色々なものが吹き飛ぶ。

 

そして今日、些細な口論が起こり、ついにお互い我慢の限界を超えてしまった。

この前ボーナス支給日、ボーナス小遣いがないのに久々に羽目を外し、終電を乗り過ごしたのは、

全然気にしてないと言ってくれてたけど、やっぱりダメだったよな。

それ以外にもまあ細かいことが積もり積もってしまった。

 

かくして私は一人、家に残された。

いつも一人の時間が欲しいと思っていた私だったが、

ポツンと家に一人いると、気が狂いそうになった。

もう俺たち、だめなのかな。子供が小さいうちに別れた方がいいのかな。

ネガティブな感情しか湧いてこない。

 

堪らず私は家を飛び出し、電車に飛び乗った。

あてもなく放浪し、頭を冷やしたかったのだ。

こんな時に来る場所は、一つしかない。

そう、魔都・難波だ。

最近羽目を外して終電を乗り過ごした、あのネオンと欲望とたこ焼き、

そしてアジア人観光客にまみれた街、難波である。

放流された鮭が死に場所を求めて元の川に帰ってくるように、私は難波に着いた。

 

昼間の難波にのんびり来るのは、久々だ。

ネオンがなく、アジア人だらけの観光地と化した難波もまた、悪くない。

普段は男しかいない職場なので、可愛く露出の多い女性を見るだけで、眩暈がしてしまう。

あかん、免疫力が低下してる。

動揺を抑え、ぶらぶらと、歩き始めた。

 

道頓堀のひっかけ橋を渡る。今はもうひっかけ橋なんて言わないのかな。

夜ここを通るといつも逆ナンしてくれる、ガールズバーのお姉さんたちも、まだ湧いていない。

ひっかけ橋を超え、堀江やアメ村の方を徘徊し、Zepp Osakaの階段に座り込みながら、私は考えた。

 

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こうなったら、ヤケクソで、ナンパでもしてみようか。

一緒にサッカーでも見ながら、一杯どうですか。

しかし、ショーウィンドウに映る、40手前のだらしない体とくたびれた顔を見て、その気は一瞬で萎えた。

今の私には、何もないのだ。

スアレスのような抜群の嗅覚も、カバーニのような彫刻みたいな肉体美も。

エムバペのようなスピードや若さも、メッシやクリスティアーノ・ロナウドのようなカリスマやマネーも。

そして西野ジャパンのようなラッキーも。

 

ならば、逆ナンを待つか。

壇蜜似の幸薄そうな人妻。

あるいは高橋しょうこ似の女子大生。

鈴村あいり似のリクルートスーツ姿のOL。

まあ一番いいのは、広末涼子だけどね。

諸事情により画像は自粛させて頂きますが、

とにかく、逆ナンされないかな。

 

でもその確率は、極めて低い。

多く見積もっても、ベルギー戦で日本が本田と香川と大迫と乾のカルテットハットトリックで12点を奪って勝利し、

次のブラジル戦では開始5分でネイマールとジェズスとコウチーニョとパウリーニョが4人同時にハンドを犯して一発退場したのちに川島が単独で駆け上がって21点を奪って勝利、

そして決勝のフランス戦で長友と酒井宏樹がエムバペグリーズマンを完璧に抑えて涙の土下座自主退場を誘発するとともに川島が果敢に駆け上がって38点を奪い日本が優勝、西野監督と川島が歓喜の裸踊りを国際映像で全世界に配信する確率の、

ざっと一億八千万分の一だ。川島好きですごめんなさい。

と言うかフランスは同じ山でしたね。まあでも要するにそういうことだ。

 

もはやこんなおっさんに近づいて来る女性なんて。

ガールズバーかアム○ェイか幸○の科学、

あるいは家出少女とヤンキーがグルになってる美人局、

そして私の一方的な勘違いによる猥褻な事案の可能性しかない。

要するに私は性犯罪者だということだ。

 

私はふと、ツイッターで知り合ったある方の言葉を思い出した。

 

男は下心をなくしてはだめ。

でも家族のために下心を抑え、我慢して頑張ってるから、

男は魅力的なんですよ。

その下心を出してしまったら、全部台無し。

 

そういう意味の言葉だ。

結婚しても子供ができても幾つになっても、下心を持ってもいいんだ。それに振り回さなければ。

私の心に、深く突き刺さった。

そして、気持ちがすこし楽になった。

本当に感謝してます。


 

下心。

神が男に与えたもうた、究極の矛盾。

この下心によって、有史以来、何億人の男たちが、無念の死を遂げていったことだろう。

ああ神よ。何故貴方様は、こんな辛い試練をオスに与えたもうたのですか。

 

動物のオスは、種の保存のため、下心丸出しだ。オス同士のメスをめぐる戦いの苛烈さは人間の比ではない。

本当にそうか?人間界でも、メスをめぐるオスの戦いは苛烈を極める。

強いオス、金持ち社長、若いイケメン、サッカー選手、3代目ジェイソール何ちゃら。

そんな力を持たないオスには、メスは見向きもしない。

当然だ。優秀な遺伝子を探すという使命もまた、メスに植え付けられてるからだ。

力のないオスがメスに認めてもらうには、それはもう涙なしでは語れない苦労があるのだ。

ダメだ、これ以上書くと涙が出そうだ。また別の記事でしっかり書こう。

 

そんなことを考えてるうちに、私は徐々に冷静さを取り戻した。

というか、一体なんで私は今、ここにいるんだろう。

 

そうだ。嫁さんと喧嘩したんだった。

6ヶ月の子供と彷徨ってるだろう嫁さんは今、大変だろう。何よりチビ君が心配でならない。

俺は一体、何をしてるんだ。

どんな生き物でも、オスは体、ときには命を張って、子供に餌を取ってきて育ててるじゃないか。

大体数ある中から、嫁さんは俺みたいな出来の悪いオスを、選んでくれたんだ。

難波で下らん妄想してる場合じゃない。

 

よし、一杯飲んだら、帰ろう。

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外はすっかり暗くなっていた。

大好きで危険なネオンの香りに耐える。

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気づいたら、戎橋通で息子の服を買っていた。

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BABYDOLLっていうのか。なかなかかっこいいじゃないか。

 

あとは、嫁の好きな551の豚まんを、買って帰ろう。

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そして謝ろう。。

 

そして、スペインvsロシア戦がはじまる直前。

私はこっそりウチに帰った。

嫁さん子供は、家にいた。

ごめんよ。わるかったな。

豚まんとチビ服を渡した。

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なんとか、持ちこたえたようだ。

 

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