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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

ロシアW杯まで2か月を切った。ハリルホジッチ元監督、サッカー日本代表に捧ぐ。

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「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」

サッカー日本代表の常套句だ。

でも、ことロシアW杯に限っては、当てはまらない気がする。

むしろ、ボコボコにされて3連敗した方が、今後の日本代表のためになるんじゃないか。

サッカー日本代表が好きだけど、昨今のハリルホジッチ元監督の電撃解任のいざこざを見てると、そう感じてしまう。

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www.sankei.com

 

 

もうだいぶ昔のようだ。

サッカー日本代表のハリルホジッチ監督(以下ハリル氏)が、W杯本番のわずか2ヶ月前に、電撃解任された。

その後、協会と監督の橋渡し役だったはずの西野技術委員長が、監督に就任。

思うところは、たくさんあったが、ここに書くのは、4月27日のハリル氏の会見が終わってからにしようと決めていた。

27日、ハリル氏は来日し、会見で思いの丈を語った。

今こそ満を持して、私も思いの丈をぶちまけたい。

 

なぜ、ここまで来て、肚を括ってハリルと心中しない?

ハリル氏解任のニュースを見たとき、まず感じたことだ。

結果が出ても出なくても、ハリルジャパンを最後まで見届けたかった。

たしかに最近の親善試合ではパッとしなかった、ハリルジャパン。

それは監督のせいもあるだろうけど、選手があまりにも不甲斐ないように映った。

 

それでも、オーストラリアとの大一番、見事な戦術で難敵に完勝し、予選一位通過を決めたハリル氏。

短期決戦に強く、戦術家の彼が、ロシアW杯本番で、一体どんな戦術、メンバーを用意し、格上の強豪に挑むのか。

私はとても楽しみだった。

 

ブラジルW杯アルジェリア代表のような雄姿の日本代表を見たかった。

思い起こすのは、四年前のブラジルW杯

アルジェリア代表監督として、ゴタゴタや下馬評の低さを覆して、ロシアと韓国を破ってベスト16に進出。

延長戦で敗れたけど、王者ドイツを慌てさせる感動的な試合をしたハリル氏。

当時はハリル氏のことは知らなかったけど、あのアルジェリア対ドイツの試合は今でも覚えている。


敗れし強者たち アルジェリア

王者ドイツの猛攻を耐え凌ぎ、90分で0-0。

最後は延長戦で力尽きたけど、足がつりながらも意地の1点を返したときは、胸が熱くなった。

終わった後、誰も立ち上がれないほど、全てを出し尽くして戦った彼らの姿は、今も鮮明に思い出せる。

個人的には、ブラジルW杯で最も感動した試合だった。

 

今の弱っちい日本代表が、ハメスのコロンビア、マネのセネガル、レヴァのポーランドに勝てるなんて、おそらく誰も思っていない。

勝てとは言わない。あのアルジェリア代表のような、熱く感動的な試合を見せてほしいんだ。

ハリル氏なら、日本代表を率いて、それをまた、見せてくれるかもしれない。

そんな期待は、本番2ヶ月前に、あまりにも突然に、非情に、奪われてしまった。

 

私は残念でならなかった。

 

ハリルホジッチ氏の会見を見て。サムライはあなただった。

27日の会見前、樋渡氏の涙ながらの通訳にもらい泣きしていたハリル氏を見て、私も思わずもらい泣き泣きしそうになった。同時に怒りすら湧いてきた。


ハリルホジッチ氏が来日 無念さにじます

 

アギーレ氏の解任後、三顧の礼で迎え入れ、事あるごとに最後までサポートするような事を言っておきながらの、この仕打ち。

こんな酷い仕打ちをされて、ハリル氏はさぞ日本が嫌いになっただろう。

27日の会見は、協会や選手の悪口を言いまくり、ワイドショーにうってつけの泥沼会見になってしまうんじゃないか。

野次馬的には楽しみでもあったけど、ハリル氏とサッカー日本代表には、そこまで堕ちて欲しくなかった。

 

会見が終了した。全文を読んだ。

russia2018.yahoo.co.jp

結局、分かったことは3つ。

問題だったのは、田嶋会長が解任理由に挙げた「ハリル氏と選手とのコミュニケーション不足」ではなく、「ハリル氏と協会とのコミュニケーション不足」だということ。

会長にしても西野さんにしても「ハリル、問題があるぞ」と、なぜ一度として言ってくれなかったのか。一度として言われたことはなかった。

 

ウクライナに負けた、といった結果を突きつけられたのならまだ理解できる。W杯までにいろいろと準備をしなければいけないから、ぜひベルギーに来てくださいと会長に言ったら、別件が入っていると言われてしまった。会長の記者会見で「テクニカルコミッティー(技術委員会)がコミュニケーションの修復を試みた」という話だったが、その存在すら私は知らなかったし、誰も私のところに来て話をしていない。私のオフィスに来た時にあいさつの握手はしたかもしれないが。西野さんも後から加わったが、テクニカルディレクターの役務は初めてやる方だった。確かに彼とのコミュニケーションは非常に少なかったかもしれない。後からやってきたので。

 

本当に何か問題があったのだとしたら、会長が事前に「こういう問題が起こっている。どうするんだ、ハリル」と言ってくれればよかった。西野さんも私に警笛を鳴らすなり、インフォメーションをくれればよかった。あるスタッフとは話したけれど、なぜ私の方のスタッフ、ジャッキー、モワンヌ、ルグシッチとは話さなかったのか。

 

本当に会長から前もって「ヴァイッド、問題があるみたいだよ」と教えてほしかった。解雇する権利を持っているから、解雇することについては問題ではない。何か問題があったのであれば、その原因は何なんだ、と会長が監督に聞いてきてほしかった。会長の決断は正しいが、今の現状、私がすごくショックを受けているのは、前もって誰も何も教えてくれなかったことだ。そして、突然会長自らパリに来てくださったわけだが、突然の解雇だった。「コミュニケーションと信頼が薄れている」というのが分からない。日々のミーティングや全体会議でコミュニケーションは取っていたつもりだ。多くの仕事を私1人ではなく多くの人で構築してきた。本当にどうしてなのか、答えが知りたい。

 

一部選手の造反が、解任劇に影響しているであろうこと。

(昨年8月、)まさに歴史的な勝利でオーストラリアに勝って、W杯予選通過をしたあの試合の後ですら、2人の選手が少しがっかりしていた。予選突破はしたが、試合に出なかったからだが、その前には何年も試合に出ていた。彼らが試合に出られなくて、そのことにがっかりしていること自体、私は悲しく思った。

 

技術委員長からベルギーで、ちょっと選手が1人不満を言っているんじゃないかという話を聞いた。私は友好な関係を築けていると思っていた。問題はどこにあったのか、皆さんからもぜひ聞いてもらいたい。

 

何人かの選手が不満を漏らしたという話は聞いている。会長、テクニカルスタッフの何人かとコンタクトを取っていたようだが、西野現監督がどういった役割を果たしていたのか私には分からない。まだ私が監督だった時に、西野さんが「ちょっと注意した方がいいかもしれない。不満を持った選手がいる」と言いかけていた。

 

そして、ハリル氏が、真に日本代表を強くしようと想い、自分やスタッフの仕事ぶりに誇りを持っていたということだ。

監督という職業ははかないもので、どんな時も何が起こるか分からない。私自身、少しナイーブ、物事を知らなかったという点があったのかもしれないが、後悔はしていない。というのは、来日して行ったのは、日本が成功するためにしてきた仕事ばかりだったからだ。私に対して通告されたことに対しては大変失望したし、リスペクトがなかったように思う。私は3年間にわたり、日本代表チームのためにいろいろな仕事をしてきた。その3年間については、私は誇りをもって、責任者としてしっかり仕事をしてきたと考えている。

 

 50人ほどのスタッフがかかわっていた。そのスタッフ1人1人にそれぞれの仕事があり、それを行っていた。彼らにも3年間、このような形で仕事をしてきてくれて、ありがとうと伝えたい。

 

私の人生において、ここまでみんながやる気で規律正しくやってくれるのを、見てきたことがなかった。練習の中身、選手の集中度、質の高さについても本当に素晴らしく、ビッグなブラボー、ビッグなメルシー(ありがとう)を伝えたい。

 

私は安心した。

ただ真実を知りたい。ハリル氏のその言葉に、嘘はなかった。

暴露や中傷、金銭要求などの、ワイドショーが食いつきそうなゲスい話は、誇り高いハリル氏の口からは、一切でなかった。

最後にハリル氏は言っていた。

私は日本の永遠のサポーターだ。いろいろなことを混ぜることができない、まっすぐな性格なので、今まで関わってきたチームと親密な関係を築きたいし、ずっと私の忠誠心は変わらない。日本の選手やスタッフの多くに、まだ私は心が通っていると信じている。

 ガンバッテクダサイ。

これは心からの言葉だ。リップサービスではない。私について好きなだけいろいろなことを言ってもらって構わないが、私のまっすぐな、正直な気持ちは心からのものだし、揺るぎないものだ。

私はなにか、申し訳なく、恥ずかしくなった。

 

ここからは私の憶測だけど、ハリル氏が解任された最大の理由は、

スポンサー受けのする選手を使わなかったこと。

具体的には、香川(アディダス)と本田(メディア+広告代理店+種々スポンサー:

広告ビジュアルから邪推する本田圭佑スポンサー枠選考・出場疑惑 : スポーツライター玉木正之氏の知的誠実さを問う)。

上でハリル氏が言っていた「2名」も、おそらくこの二人だろう。

きっと本番が近づくにつれて、彼らの特番は増えるに違いない。プロフェッショナルみたいな。そりゃ彼らが選ばれないと番組作った側も困るよね。

 

 

スポンサーがバックにいる一部選手、要するに本田と香川が、自分たちが起用されないと、監督を飛び越えて協会に不満をたらす。

協会も彼らをいさめるどころか、言われたとおりに監督の首を切る。

そんなバカげたことが、まさかサッカー日本代表で起こるなんて。

 

1つ声を大にして言いたい。

自分の力の無さを棚に上げて監督批判をし、スポンサーやメディア、協会に泣きついた形の本田、香川(推測)。

全然仕事をせず、彼らに振り回され、ハリル氏を見殺しにして、突然お茶を濁すように解任を言い渡した協会。

そんな人間たちよりも、理不尽にクビにされても誇りを失わなかったハリル氏の方が、日本人らしく、サムライだった。

そう私には見えた。

  

サッカー日本代表は、賞味期限切れ寸前だ。

それにしても、なぜ、こんな状況になってしまったのか。

サッカー日本代表がこれほどまでに巨大なマーケットになったのは、先達が作ってきた、あまりにもドラマチックな歴史のためだ。

 

ドーハの悲劇。ジョホールバルの歓喜。カズ落選。フランスで屈辱の3連敗。城への水ぶっかけ事件。日韓ワールドカップ。重い扉をこじ開ける鈴木のゴール。稲本の2ゴール。ベスト16。黄金世代で挑んだドイツで惨敗。ボロカスに言われつつも南アフリカでベスト16。その時切られた中村俊輔、台頭した本田。ザッケローニ監督と日本代表。俺たちのサッカー。目標は優勝。ビッグクラブに移籍した選手たちのビックマウスを信じてしまうような期待。しかし本番は惨敗で敗退。。

 

それらの歓喜と悲劇が、サッカー日本代表をここまで大きなものにしてきた。商業的にもだ。

でも、ドーハからは25年。ジョホールバルも20年前だ。

「絶対に負けられない戦いがそこにはある」というフレーズも、そろそろ賞味期限になりつつある。

その上、今の日本代表には、スターがいない。

その結果、先ほど述べた本田や香川に、いつまでも過剰ともいえるスポンサーやメディアからの期待がのしかかっている。

全盛期からは力は落ちているにもかかわらず、いつまでもちやほやされる。彼らを脅かす代わりの選手もいない。

ある意味、彼らも被害者なのかもしれない。

 

そんな、スター不在の虚構のチームを、リアリストとしての戦術でカバーしてくれるハリル氏は、うってつけだと思っていた。

しかし、もう事態は進行してしまった。

 

ここまで協会のダメっぷり、選手の勘違いっぷりが露呈してしまった以上、

今までのサッカー日本代表のように、心から応援することは難しい。

 

それでも、田嶋会長が、ハリルでは勝てない、数パーセントでも勝つ確率を上げるといって、自身のクビを懸けて選んだ布陣だ。

何より、選ばれた選手たちは、必死で闘う姿を見せてくれるだろう。

結果が出るまでは、静観したいと思う。

 

宇都宮徹壱さんのコラムより。愛の反対は無関心だ。

 

宇都宮徹壱さんの記事が好きだ。

溢れるサッカー愛と、努めて冷静かつ客観的に書かれた鋭い論調。

彼のコラムで、一番心に刺さったものを、紹介させて頂きたい。

russia2018.yahoo.co.jp

 

しかし、だからこそ私は、ロシアの地で指揮官が目指したサッカーの完成形を目撃したかった。多少のストレスを感じながら見守ってきた試合の数々が、どんな伏線となって極上のカタルシスへと昇華させてくれるのか。そして「3年間の努力の成果」が、コロンビアやセネガルやポーランドと相対した時、どれだけ通用するのか(あるいはしないのか)、しっかり見極めた上で、ハリルホジッチ時代の3年間を評価したかったのである。

 

SNSの発達により、当時と比べて人は集めやすくなったが、今回「反田嶋会長デモ」が起こることはないだろう。確かに、怒っている人がかなりいるのは事実。しかし一方で、多くのサッカーファンはJFAに対して深い諦念を抱いている。そして何より、ゼロ年代と決定的に異なるのは、もはや日本のサッカーファンは「日本代表に依存する必要がなくなった」という事実である。なぜなら彼らは、日本代表よりもレベルの高い欧州フットボールや、日本代表よりも身近でシンパシーが感じられるJリーグを存分に楽しんでいるからだ。

 

今回の電撃解任の背景には、代表人気にすがる人々の焦燥があったと見るのが自然だろう。ただし決断の対価として、無関心層がさらに増大することは覚悟しなければなるまい。

愛の反対は憎しみではない。無関心である。

 

ロシアW杯に挑むサッカー日本代表「西野ジャパン」への私の気持ちは、まさに無関心が90%だ。

でも、実はそれだけではない。

冒頭述べたような、3連敗してボロカスに叩かれて、田嶋会長はじめ協会は総辞職すればいいという、憎しみという名のドス黒い期待が9%

そして最後の1%は、これまでずっと感動や失望を味わわされてきたサッカー日本代表への、愛だ

 

それでもサッカー日本代表が好きで、応援したいんだ。

奇跡を起こし、難敵を撃破し、手のひらを返させてくれ、俺が間違っていたと謝らせてくれ。

きっと本番が近づくにつれ、そんな気持ちになるだろう。

 

おわりに。ロシアW杯日程。ハリルホジッチ元監督、本当にありがとう。頑張れサッカー日本代表。

 

www.asahi.com

もっとも、楽しみは日本代表だけではない。

ちなみに私の優勝予想はブラジル。好きなのはフランスとクロアチア。盤石なのはドイツとスペイン。大穴は売り出し中のサラー擁するエジプトだ。まあ外れるだろうなあ。

 

開幕試合のロシアvsサウジアラビア(地味?)は、6月15日(金)0:00~。

そして、運命の日本代表の開幕戦(vsコロンビア)は、6月19日(火) 21:00~。

二戦目のセネガル戦は、6月25日(月) 0:00~。

予選最終のポーランド戦は、6月28日(木) 28:00~。

 

果たして、どんな結末が待っているのか。

 

でも、どんな結果が出たとしても、私はハリルホジッチ元監督に言いたい。

弱い日本代表をW杯に導いてくれて、本当にありがとう。感謝しています。

協会(や本田、香川)のことは嫌いになっても、日本のことは嫌いにならないでください。

そしてサッカー日本代表。西野ジャパン。

勝てなんて言わない。あのアルジェリア代表のような、魂の入った試合を見せてください。応援します。

 

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