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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

恐怖の生活発表会。笑いでトラウマを吹き飛ばしてくれた息子に感動。

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週末は3歳の息子の生活発表会だった。幼稚園での晴れ舞台。しかし私は気が重かった。一年前のトラウマが蘇ったからだ。

 

一年前のクリスマス発表。私は撮影係。張り切ったわけではないが息子とペアルック。しかし息子は一人だけ、舞台上でギャン泣き大暴れ。共演した嫁さんはひきつり笑顔。しかしギャン泣きはやまず、公開処刑は終わらない。見かねた幼稚園サイドから、ついに舞台脇に下げられた。

 

 

私は震える手でビデオ撮影を続けた。ああ、あれがあの子のお父さんだな。そんな視線を浴びた。そりゃペアルックだからね。何度もカメラを背けようとした。しかし現実から逃げてはいけないと、悲劇の一部始終を記録した。全身から冷汗が噴き出した。

会の終了後、何人もの先生が駆け寄ってきてくれた。「大丈夫ですからっ!大丈夫ですからっ!」。嫁さんは堪え切らず涙した。泣き止んだ息子は早く公園に行こうとぐずった。まさに地獄絵図だった。

 

どうやら、息子には協調性がないらしい。発達は一年遅れ。自閉症スペクトラムの疑いもある。そんなことを保健士さん?に教えてもらった。

何があろうと、息子は息子だ。でも人様に迷惑をかけるのはダメだ。鉄は熱いうちに打て。でもどう教育、躾をしていけばいいのか。

特に嫁さんは途方に暮れていた。私は楽天家なので、そんなもん気にするな、何でも病名つけりゃいいってもんじゃないよ。そのうちできるようになるさ。親はどんと構えとこう。そう励ましていた。

 

そうしてからの、今回の発表会だった。

お題目は、「はたらくくるま」のダンス、「one little finger」の歌、そして跳び箱鉄棒のサーキット。

息子の立ち位置は、後列の端。一番できない子のポジション。それでもいい。与えてもらった持ち場で、去年から少しでも成長した姿を見せてくれれば。私は不安9割、達観1割で、次男を抱っこし、客席でカメラをスタンバイ。ペアルックはやめておいた。

 

幕が開いた。帽子を被りたくないと脱ぎ捨てる息子が目に飛び込んできた。嫌な予感がした。曲が始まった。きちんと踊る同級生を尻目に、何をとち狂ったか息子は一人、高速ハイハイで舞台を駆けずり回り始めた。ここで踊りなさいと舞台袖から先生の手が見える。しかし暴走ハイハイモードに突入した息子には届かなかった。挙げ句の果てに客席の保護者達に尻を向けてフリーズした。

ああ、またか。

しかし、ギャン泣きしてないぞ。それだけでも確かな進歩だ。「はたらくくるま」は家でも喜んで踊ってるのを見てたけど、本番緊張したんやね。客観的に見ればお馬鹿な子供。でもお馬鹿な子ほど可愛いからね。私は自身に、そう言い聞かせた。

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https://machidukuri-fuchu.jp/event/3521/

 

続いて、「one little finger」が始まった。座って皆で英語の歌を歌う出し物。

そこで私は、目を疑った。

息子がきちんと座って、満面の笑みで、歌っている。舞台上で寝ている隣の子を尻目に、きちんと指を「1」にして、大きな声を出して、一生懸命に歌っている。

思わず熱いものが込み上げた。

途中、息子は私に気づいた。私は大きく何度も頷いた。遠目にも息子の目がキラッと光ったのがわかった。歌う声が、大きくなった気がした。

すごいじゃないか、息子よ。やればできるじゃないか、息子よ。

私の頬を涙がこぼれ落ちた。

 

その後、前列にいた嫁さんにも気づき、演目の終了後、思わず舞台からこっちにこようとした。しかし制止されると、きちんと戻った。

 

そして最後の演目、跳び箱と鉄棒のサーキット。息子は運動は得意なので大丈夫だろう。

しかしBGMがまた「はたらくくるま」だったので、テンションの上がった息子は一人だけ、跳び箱や鉄棒の列から抜け出し、舞台最前列で、「はたらくくるま」のソロダンスを始めてしまった。

パパ、ママ、僕できるんだよ。見てよ。そんな息子の心の声が聞こえてきた気がした。

最初にそれをやりなさいよ。あの高速ハイハイは何だい。そんな突っ込みも、恥ずかしさも、全て吹き飛んだ。マスクの下で、笑いが止まらなかった。笑いと、次男をずっと抱っこしてたので、手がプルプル震え、カメラはブレブレだった。

途中、気の済んだ息子は列に戻り、得意の鉄棒と跳び箱を披露してくれた。

最後、パパママと泣きながら抱っこされ退場する息子を見送った。

こうして、ある意味一番目立ち、生活発表会は終わった。

先生方、うちの愚息が、本当に申し訳ございません。ありがとうございました。

 

もうちょっとできると思ってたなぁ。帰り、動画を見返しながら、少しがっかりした様子の嫁さん。いやいやあれだけできれば十分やで。

そりゃセンターの女の子とかは、本当に凄い。もう完成されたアイドル、芸能人やった。

でも、今回はうちだけじゃなかったやん。

少なくとも、夜勤明けのお父さんのごとくずっと舞台で寝てる子と、石化の呪いをかけられたかのごとくずっと微動だにしない子。彼らと同じレベルにまで来たやん。息子を合わせて、いとしの三馬鹿トリオ、そう勝手に呼ばせてもらうことにします。ちゃんとしてる子も可愛いけど、お馬鹿な子は本当に面白くて可愛いです。

○○ちゃん、頼んだよ。嫁さんはベビーカーで何も知らずに眠る5ヶ月の次男に語りかけていた。

 

動画を自分の親に送ってあげた。じいじばあばは大爆笑していた。親は笑ってばかりもいられない。でもこれも親孝行かな。よかった。

これだけ笑いを届けてくれて、さすがだな息子よ。よく頑張ったぞ。

晩御飯は、息子の大好きなくら寿司の玉子とチョコケーキにしました。

次はちゃんとできるよう頑張るんやぞ。将来悪さしたら、罰としてこの動画みせてやろう。