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ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

【ジブリ】ラピュタを大好きな変態が、自称ジブリ女子に翻弄されつつも、ついに仲間を見つけてしまった話。

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ジブリが好きな人に、悪い人はいない。37歳になった今でも、そう信じている。

全部を見たわけではないが、私はジブリが大好きだ。必然、私はいい人のはずだ。

振り返れば、女子とジブリトークをすることは、これまでたくさんあった。飲み会や合コン、美容院。しかし、本物に出会えることはめったになかった。

 

自称ジブリ女子の功罪。本物を探し求め、猫バスのモノマネでスベる日々。

とある合コンでの一コマ。
 

女子「私ジブリ大好きなんですー!zohさんは何が一番好きなんですか?」

私「まあそのときの環境、心境、立場で変わるので一概には言えませんが、今は『天空の城ラピュタ』ですね」

「えーーラピュタ!私も大好きです♪めっちゃいいですよね!そう、あの魔法の言葉…なんでしたっけ…?」

リーテ・ラトバリタ・ウルス。アリアロス・バル・ネトリールですね!我を助けよ…」

「??(目が点)。もっと短かったような…」

「あ…ごめんなさい。バルスのことですか?」

「…あ、そうそう、そんなかんじ…(ドン引き)。あ、あと、あの眼鏡の悪い役の人…」

「ああ、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタですよね。ウルはラピュタ語で王…」

「…zohさんすごく好きなんですね(棒)」

「ま、まあ、そうですね、ハハハ…」

 

一体何度、こんな不毛なやりとりをしただろう。まただ。この人も本物じゃない。軽々しくジブリ好きとか言わないでおくれ。その気もないのに、変に期待させないでおくれ。もしかして、この人は好感度UPのためにジブリ好きを装っているのか?。疑心暗鬼のスパイラルに陥ってしまいそうだ。 

 

しかし、私にはまだ仕事が残っていた。かつて、合コン常連メンバーとの取り決めで、私はジブリ女子担当だった。ジブリ好きの女子がいれば、歓心を買うため、友人が無茶ぶりをし、私は似ていないトトロと猫バスのモノマネをやって、盛大にスベって場を盛り上げる。辛い役回りだった。

スベるのはいい。慣れている。納得いかないのは、バルスも出てこないにわか女子の前で、私がこんな醜態を晒さねばならないことだ。内心忸怩たる思いだった。

 

そういえば、今の妻と合コンで出会った時も、同じように猫バスの真似をさせられ豪快にスベった苦い記憶がある。そもそも妻はそれほどジブリに興味がなかった。他の女子たちもだ。今思うと、あれはただ、私が唐突に変なダミ声の猫の鳴き声を発して一同の目を点にしただけの事案だ。確実に、私を貶めるための友人の策略だろう。深く、恨…感謝している。

 

先日、その妻と、ふとジブリの話になったとき、こう言われた。

「あなたは、私に求めすぎる。周り、私がジブリに興味がないんじゃなくて、あなたが気持ち悪いくらい好きすぎるだけ」

気持ち悪いとは何事か!と頭に血が上ったが、事実なので仕方がない。

ああ。身近に本物はいないのだろうか。。

そう思い続けて数年。意外なところに、本物はいた。

 

 ようやく出会った「本物」A。類は友を呼ぶ。

 それは今の会社に転職してきた同期のA。転職日も部署も年齢も同じ。苗字も似ている。他に知り合いもいないので、昼飯を一緒に食べることに。設計のくせに適当で大雑把な私とは違い、CADで作られたようにキッチリしたA。

かつて「せっかくだし、このあと飲みに行きましょうか!」と誘ってみたとき、Aは真顔で私を見てこう返した。

「居酒屋って質のわりに高いんですよね。同じ金額を払うなら、私は居酒屋で飲むより美味しいイタリアンを食べたいです(キリッ)」

なんだこいつは。たしかに一理ある。しかしめんどくさい。私とはどう考えてもウマが合わないと、確信した瞬間だった。

 

そんな彼と、他同期数人でいつも通り昼飯を食べていたとき。

たしか、金曜ロードショーで『天空の城ラピュタ』が再放送されて「バルス」でサーバーが落ちたとか、そんな話を誰かが言いだしたときのことだ。

 A以外の人間は、「『バルス』って何すか?」というテンション。バルスすら誰も知らないのか。全く日本はどうしてしまったんだ…と自嘲気味に笑いながら、私はふと魔がさして、あの呪文をこっそり呟いてみた。

「…リーテ」

一瞬、対面に座っていたAがピクッと動いた。大きな黒目がより大きくなった気がした。そして、Aが呟いた。私の真意を確認するかのように。

「…ラトバリタ・ウルス。」

私は驚き、箸を持ったままAを凝視した。Aは全てを悟ったようなドヤ顔でこっちを見ていた。俺は、分かってるぞと。そこに、言葉はいらなかった。

まさか、よりによってAが、こっち側の人間だったなんて。驚き、戸惑い。できれば、可愛い女子がよかったのに。

しかし一番は、自分を分かってくれる仲間に出会えた、喜びだった。

二人で声を揃えて、もう一度唱える。

リーテ・ラトバリタ・ウルス。アリアロス・バル・ネトリール!

すかさずAが言う。

「我を助けよ!光よ蘇れ!」

ついに見つかった。仲間が。同志が。。乾杯だ!今日はなんか、いい日だ!

ドン引きする同僚達には目もくれず、私たちは義兄弟の盃を酌み交わすかのごとく、お茶で乾杯した。

「ウルはラピュタ語で?」「王!」

「トエルは?」「誠!」

「土に根を下ろし!」

「風と共に生きよう!」

「種とともに冬を超え!」

「鳥と共に春を歌おう!」

 なんという感動的な光景だろう。ブラック企業のくたびれた社員食堂の真ん中で、おっさん二人がラピュタのセリフを叫びあってシンクロしている。

もう隠す必要もないんだ。思い切り自分をぶつけ合える。私は涙を必死にこらえていた。Aも同じだったに違いない。。。

 

おわりに。人のふり見て我がふり直せ。

こうして私とAは、唯一の共通点「ジブリトーク」で、しばしば時間を忘れて語り合うようになった。

しかし。困ったことが起きた。Aのジブリ熱が、どうやら私を上回っている。「天空の城ラピュタ」やその他の作品なら、対等以上に張り合える。しかし、Aがラピュタ以上に一番大好きだという「カリオストロの城」を、私は見たことがないのだ。

連日、Aは「カリオストロの城」の素晴らしさやセリフ、面白シーンなどをマシンガンのように私にぶつけてくる。私が「見たことないですけど、あのルパンのやつでしょ?」などとあしらおうとしても引き下がらない。たぶん私が聞いているかは関係ない。とにかく言いたいだけなのだ。一旦、希少な仲間の認定されてしまった以上、もはや何を言ってもAには届かない。ああ、なんてめんどうなんだろう。。。

 

きっと、私が過去にコンパ等で披露してきた、ジブリに関する上から目線の発言や寒いモノマネ芸に対して、女子たちは同じ感想を抱いていたに違いない。まさに赤面ものだ。何より私の自己満足に付き合ってくれていた妻に謝らないといけない。

正直に言うと、私はあのとき、Aの前で知ったかぶってラピュタの呪文を唱えてしまったことを、後悔している。

「リーテ・ラトバリタ・ウルス。アリアロス・バル・ネトリール!」この呪文は、実は同類の変態を呼び寄せる禁断の言葉だったのかもしれない。そんな妄想に今、囚われているところだ。

 

というわけで、もっとソフトなジブリ好きな方。できれば女性の方。仲良くして頂けると嬉しいです。私で物足りなければ、Aを差し上げます、というかお願いなので引き取って下さい。

 

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※TOP画像はこちらから拝借しました

画像 : 天空の城ラピュタ 意外と知らない秘密や裏設定 - NAVER まとめ

 

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