ページ コンテンツ

ぞうブロ~ぞうべいのたわごと

妄想を武器に現実と闘う、不惑のエンジニアのブログ

アンビリバボーのユーバーリンゲン飛行機衝突事故特集を見て。復讐とは。組織とは。

スポンサードリンク

「アンビリバボー」で、ユーバーリンゲン飛行機衝突事故特集を見た。

恥ずかしながら詳しく知らなかったけど、つい最近(2002年)、こんな恐ろしく悲しい事故・事件があっただなんて。

 

 

事故の概要。

ざっくり言うと、こんな感じです。

  • ロシアの旅客機とDHLの輸送機が、上空10000mで衝突。双方の乗客乗員71人全員が死亡
  • スイスの航空管制会社(skyguide社)のルール違反や管制官のミスが重なったことが原因
  • この事故で家族(妻と子供二人)を亡くしたビタリー・カロエフが、ミスを犯し事故の一因となった管制官(ピーター・ニールセン)を刺殺
  • skyguide社には謝罪すらされず、カロエフが自力でピーターの住所を突きとめ会いに行き、謝罪を求めるも拒否され、家族の写真を払いのけられたことに激高した末の殺人
  • 刑が短縮され出所後、カロエフはロシアで英雄として迎えられオセチア共和国の副大臣になる
  • 刺殺されたピーターにも家族があり、ピーターもまた杜撰なskyguide社の被害者だった
  • 「アフターマス」で映画化済

 

※詳しくはコチラ

buzz-plus.com

ユーバーリンゲン空中衝突事故 - Wikipedia

no-tenki-e-tenki.com

f:id:elep-peace:20190524005335j:plain

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9-DVD-%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%AC%E3%83%BC/dp/B077D6KL2S

 

アンビリーバボーはいつも素晴らしい特集を作ってくれるけど、今回は本当に色々考えさせられました。

 

まず、飛行機事故は本当に恐ろしい。

小さなミスやルール違反が重なることで、こんな大惨事が起こってしまうということ。悪しき慣習や手抜き、思考停止は、事故の始まりだということ。これは飛行機に限ったことではないけれど。

 

復讐について。

そして、復讐の是非。

個人的には、カロエフの気持ちは痛いほど分かる。もちろん殺人は絶対にいけない。でも私がもしカロエフなら。きっと同じことを考えるだろう。しかし、亡くなった妻と二人の子は、何をしても帰ってこない。途中で心が折れて、諦めてしまうかもしれない。そんな気力すら、湧いてこないかもしれない。

だから、最後まで家族愛と筋を通したカロエフは、正直よくやったとも思う。ロシアで英雄として迎えられた気持ちもよくわかる。

 

だけど、刺殺されたピーターにもまた、妻と3人の子供がいた。彼もまた、skyguide社の被害者だ。しかし最後、写真を払いのける前に、せめて一言、人として、謝るべきだった。

個人的に、仇討ちには賛成だ。日本では、被害者の人権より、加害者の人権の方が、時として優先される。法律は欠陥だらけで、すべてを網羅できず、限界がある。

「復讐では何も解決しないことを知った」という、カロエフの言葉は重いです。

 

組織について。おわりに。

いちばん悪いのは、間違いなく、skyguide社だ。

この会社が、杜撰なルール違反を黙認しなければ。事故後、さっさと責任を認めていれば。被害者遺族に、せめて一言でも謝っていれば。被害者の心情を一片でも汲み取っていれば。

カロエフの事件後、ようやく発表した会社の謝罪レターでは「事故後どうやって謝るかのルールがありませんでした」と、言い訳にもならない言い訳をしていて、呆れてしまった。スイス上空を飛ぶのが嫌になってしまったほどだ。

 

でもこれは、どの会社、組織でも起こりうることだ。

合理化、効率化のもと、責任は薄まり、責任の所在は曖昧にされる。一人なら当たり前にできることでも、組織になると、途端に出来なくなる。逆に、一人なら当然してはいけないと分かっていることも、組織なら、慣習という名のもと、できてしまう。

 

組織に染まらないと、うまく生きられないのは確かだ。

だけど、会社がやれと言ったから。今までもみんなやってるから。私がしなくても誰かやるだろう。ついつい、会社を隠れ蓑にして、そんな言い訳ばかり考えてしまいがちだ。

そうならないよう、自分の頭で考えること、心で感じることを、止めてしまってはいけない。たとえ多少立ち回りにくくなっても、会社ごときに絶対服従なんかしてはいけない。

どんな立場でも、まず、ハートのある一人の人間として、振舞わなければいけない。そう思いました。なかなか難しいときもありますけどね。

 

スポンサードリンク